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[MOM2736]横浜FMユースGK吉嵜勝哉(3年)_点差広がる中でも、自身の“集中維持術”活用して無失点

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横浜F・マリノスユースGK吉嵜勝哉は完封勝利に大きく貢献

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.14 プレミアリーグプレーオフ1回戦 旭川実高 0-7 横浜FMユース 呉市総合スポーツセンター陸上競技場]

 7-0。この日の横浜F・マリノスユースには先制ヘッドを決めたMF椿直起(3年)をはじめ、ヒーローが多数いた。西谷冬樹監督もそれを認めた上で、90分間集中した守りを見せていたGK吉嵜勝哉(3年)を高く評価。プレーオフ進出への大一番だったプリンスリーグ関東最終節(対大宮ユース)を含め、「1試合の中で必ずある」相手の決定機を封じてきているという守護神を称賛していた。

 この日のシュート数は20対7。味方が攻め続け、点差を広げる中で集中力を保つことは容易ではない。だが、吉嵜は5-0の後半10分に至近距離からのヘディングシュートを足で完璧にストップ。また、終盤には判断の良い飛び出しで相手の抜け出しを阻止していた。意地で1点を奪い取ろうとしていた旭川実高をシャットアウト。やや相手に押し込まれた立ち上がりや、パワフルなセットプレーにも落ち着いて対処するGKの存在感は大きかった。

「自分たちが力を示している時に後ろもゼロ失点でというところを目標にしている。自分たちの攻撃を見ながら、守備にもしっかり指示をして試合をしていました」と吉嵜。指揮官からの評価を伝え聞くと、素直に喜んでいた。

 後方から味方を動かす声や1対1の強さに加え、「今やっているサッカーはGKから始まるプレースタイル」と自負する横浜FMのサッカーを足元でも支えている。180cm、82kgのがっちりとした体格含めてチームに安心感を与えているGKだ。

 その守護神は試合中、全く声を絶やさない。味方へのコーチング、鼓舞するような声はもちろんなのだが、気になったこともあった。ボールが遠い位置にある際など、コーナー付近のカメラマンにギリギリ聞こえるような声で「アイツうめーな」や「ナイスボール」……。相手のプレーを讃えるような“独り言”をつぶやき続けていた。

 その“独り言”について尋ねると、「あれは、自分の集中力が切れないように独り言を言っています。昔からやっていますね」と微笑。その“独り言”が自分の集中力を切らさずにプレーに“かかわり続ける”力、またチームの守備を支える力になっているようだ。

 高校3年生の吉嵜にとって横浜ユースでの公式戦はあと1試合。「今まで通りに自分たちの攻撃は上手いので、後ろも集中して臨みたいですね。最後勝ってみんなで笑顔で終わりたいと思います」と笑顔で横浜ユースから“卒業”することを誓った。

(取材・文 吉田太郎)
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