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「徹底してやる」ロングボール戦法で桃山学院大を圧倒…8年ぶり出場の駒澤大がベスト8!

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FW高橋潤哉(3年=山形ユース)のゴールに沸く駒澤大の控え選手たち

[12.15 インカレ2回戦 桃山学院大1-4駒澤大 柏の葉]

 第67回全日本大学サッカー選手権大会(インカレ)は15日、2回戦の8試合を各地で行った。柏の葉公園総合競技場での第2試合は桃山学院大(関西4)と駒澤大(関東4)が対戦。ハイプレスとロングボールで押し込んだ駒澤大が4-1で勝利し、筑波大(関東2)との準々決勝に進んだ。

 高い技術を持つ選手が並ぶ桃山学院大に対し、フィジカルに優位性を持つ駒澤大という好対照な一戦。立ち上がりから桃山学院大は自陣からテンポよくボールを動かすと、駒澤大は前線に素早くロングボールを蹴り込み、異なるスタイルのチーム同士ながら拮抗した展開を繰り広げていた。

 しかし、勝負を分けたのは先制点だった。前半30分、駒澤大はMF鈴木隆作(4年=駒澤大高)が自陣深くからロングフィードを送り、MF中原輝(4年=ルーテル学院高/熊本内定)が右サイドを突破。中央にえぐって低いクロスを配給すると、タイミングよく走り込んだFW安藤翼(4年=長崎総合科大附高)が右足で流し込んだ。

 桃山学院大の松本直也監督が「先に入れないとこうなってしまう」と振り返ったように、後半は風上に立った駒澤大がさらに勢いを増す。後半14分、MF坂本和雅(4年=聖和学園高)のクロスがDF釘貫真弘(4年=県立西宮高)のハンドを誘ってPKを獲得すると、これを主将のMF大塲淳矢(4年=藤枝東高)が決め、2点のリードを奪った。

 それでも駒澤大の勢いは衰えず。後半21分、坂本のクロスに反応した中原のシュートは相手に阻まれたが、跳ね返りを途中出場FW高橋潤哉(3年=山形ユース)が決めて3点目。その後はFW室町仁紀(4年=東京Vユース)がハイプレスで相手守備陣に圧力をかけると、桃山学院大はビルドアップを避けてシンプルなボールを放り込むようになった。

 駒澤大はDF星キョーワァン(3年=矢板中央高)、DF伊勢渉(4年=神戸国際大附高)の屈強なセンターバック陣が難なく相手の攻撃を処理すると、後半38分には相手の戦意を削ぐ4点目を奪う。左サイドを起点とした攻撃からFW矢崎一輝(2年=駒澤大高)がゴールに迫ると、そこからのパスに反応した中原が落ち着いて流し込んだ。

 4点ビハインドとなった桃山学院大は後半44分、敵陣で獲得したFKをFW佐藤碧(3年=大分高)がクイックでスタートし、ニアサイドに飛び込んだFW毎熊晟矢(3年=東福岡高)がヘッドで押し込んで1点を返す。だが、反撃はここまで。激戦の関東リーグで4位に入り、8年ぶりの出場を果たした駒澤大がベスト8進出を決めた。

 1回戦はシードだったため、駒澤大にとってはこれが初戦。大差での勝利に秋田浩一監督は「出来過ぎじゃないですか」と苦笑いを見せた。ただ、フィジカルを生かしたロングボールで相手に圧力をかけるというスタイルの結実はまさしく“駒澤らしさ”。「そういう能力のある選手はいるので、それなりの形にさえなれば……」と自負はある。

 準々決勝の相手は2年前のインカレを制した筑波大。関東リーグの後期最終節では1-0で勝利しており、良いイメージを持っての戦いとなる。「筑波のほうが誰が見ても能力は高いし、ボールの扱いはうまい」とリスペクトする気持ちもあるが、「われわれはやり方を徹底してやる」とプライドものぞく。自らのスタイルを貫徹することで、2009年以来10年ぶりとなる準決勝への道を開く。

(取材・文 竹内達也)
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