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悔しさ×2を晴らせ!! 関西学院大、東洋大との延長死闘を制す

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激しく競り合う関西学院大MF中野克哉(右)と東洋大FW坂元達裕

[12.15 インカレ2回戦 関西学院大3-2(延長)東洋大 浦安]

 第67回全日本大学サッカー選手権大会(インカレ)は15日、2回戦が各地で行われ、浦安市運動公園陸上競技場の第2試合は関西学院大(関西2)と東洋大(関東7)が対戦。2-2で前後半90分間を終えた試合は、延長前半15分にMF山本悠樹(3年=草津東高)がPKで決勝点を奪った関西学院大が3-2の勝利を収め、17日に行われる準々決勝で法政大(関東3)と対戦する。

 序盤にゴールに迫る場面を創出したのは東洋大だった。まずは前半12分、FW坂元達裕(4年=前橋育英高)、MF横山塁(1年=FC東京U-18)とつないだボールから最後はFW荒川勇気(3年=旭川実高)が狙うも、GK妻鹿寛史(4年=立正大学淞南高)に阻まれる。さらに同16分には相手のミスからボールを奪った荒川がPA内まで持ち込んでシュートを放つが、これも妻鹿にストップされてしまった。

 しかし、「風上をとって前半は押し込んで得点を狙いに行こうと話していた」(高橋宏次郎コーチ)という関西学院大が徐々にリズムを生み始める。前半33分にDF本山遥(1年=神戸U-18)のラストパスから放ったMF中野克哉(4年=京都橘高)のシュートはGK松本健太(3年=柏U-18)に防がれたものの、同43分に鮮やかな連係から先制点を奪取。左サイドから細かくパスをつないで中央に侵入すると、ゴール前でボールを受けた中野がFW藤原樹(4年=市立西宮高)とのワンツーから強烈な右足シュートを突き刺し、スコアを1-0とした。

 関西学院大が1点をリードしたまま前半を折り返すが、後半11分、東洋大がゴール前でFKを得ると、DF渡辺星夢(4年=前橋育英高)が豪快な左足シュートを直接叩き込んで試合を振り出しに戻す。さらに同31分には鋭いカウンターを発動させると、ボールを運んだ坂本のラストパスを受けたMF野本幸太(2年=市立船橋高)が左足で流し込み、東洋大が逆転に成功。しかし、同36分、DF高尾瑠(4年=名古屋U18)のパスからPA内に走り込んだ山本の柔らかな浮き球のパスをFW林部晃己(2年=C大阪U-18)がヘディングで叩き込み、関西学院大が同点に追い付いた。

 激しくスコアが動いた後半となったが、勝ち越しゴールは生まれずに2-2のまま90分の終了を告げるホイッスルが吹かれる。一進一退の攻防が続く中、延長前半15分、PA内で仕掛けた高尾がPA内で相手選手のファウルを誘うと、キッカーを務めた山本がきっちりと沈めて関西学園大が勝ち越しに成功。延長後半は東洋大の反撃に遭ったものの、同10分に放たれたMF梅津凌岳(1年=京都橘高)の枠を捉えた強烈なシュートを横っ飛びした妻鹿が弾き出すなど、同点ゴールを許さず。逃げ切った関西学院大が3-2の勝利を収めて準々決勝へと駒を進めた。

 昨年はインカレへの出場権を逃した。当然、悔しさがあった。さらに今年は総理大臣杯の出場権を逃し、悔しさは増した。古塚恵太郎監督と高橋コーチは口をそろえたように「去年のインカレに出られずに悔しい思いをし、夏の総理大臣杯に出られなかった悔しさもあった」という。そして、高橋コーチは「何としても今年はインカレに行くぞと気持ちを一つにして、夏から厳しいトレーニングを続けてきて、それが実を結んで今がある」と胸を張った。次戦は昨年準優勝の法政大と対戦。古塚監督は「強いチームだと分かっている。胸を借りるつもりでいかないといけないが、目標は日本一なので、最後まで行けるように頑張りたい」と一戦必勝を誓った。

(取材・文 折戸岳彦)

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