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前回準Vの法政大、大西2発でベスト4進出! 関西学院大の猛攻は水際で阻止

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3点目が決まって喜ぶ法政大の選手たち

[12.17 インカレ準々決勝 関西学院大1-3法政大 浦安]

 第67回全日本大学サッカー選手権大会(インカレ)は15日、準々決勝を各地で行い、浦安市運動公園陸上競技場では関西学院大(関西2)と法政大(関東3)が対戦した。MF大西遼太郎(3年=磐田U-18)の2ゴールなど、着実に加点した法政大が3-1で勝利。19日の準決勝では2年連続の決勝進出を懸けて、リーグ戦では五分の戦績だった順天堂大(関東6)と戦う。

 立ち上がりに主導権を握ったのは法政大。先発に抜擢された長身FW松澤彰(3年=浦和ユース)にボールを集めると、FWディサロ燦シルヴァーノ(4年=三菱養和SCユース/北九州内定)とのコンビで一気に敵陣へと襲い掛かった。関西学院大も徐々にペースを取り戻し、セットプレーからMF安羅修雅(1年=履正社高)、DF本山遥(1年=神戸U-18)が立て続けにゴールへ迫った。

 このピンチで身体を張った法政大は前半19分、相手のクリアミスに乗じたディサロがフリーで抜け出すも、シュートはGK妻鹿寛史(4年=立正大学淞南高)がビッグセーブ。それでも同20分、中央でMF陶山勇磨(1年=帝京長岡高)と大西が絡んで左サイドにボールを送ると、ディサロの左足シュートは再び妻鹿に阻まれたが、こぼれ球に詰めたMF橋本陸(3年=西武台高)が押し込んだ。

 その後は関西学院大が一方的にボールを握った。前半28分、右サイドのMF中野克哉(4年=京都橘高/京都内定)が果敢なドリブルで攻め込むもGK吉田舜(4年=前橋育英高)が阻止。しかし同43分、MF山本悠樹(3年=草津東高)、DF藤田大輝(4年=兵庫県立西宮高)とつないだボールを安羅が受けると、カットインからのシュートが相手に当たってネットに吸い込まれ、前半終了間際に追いついた。

「立ち上がりにセットプレーでピンチがあったけど、粘り強く失点せず対応できたことが良かった」と振り返ったのは法政大の長山一也監督。同点でのハーフタイムはプラン通りだったが、先制した後にズルズルとリトリートしてしまうような場面が続いたことを受け、「戻ることに頭が行き過ぎていたので、戻りながら相手にアタックしよう」という意識を共有し、後半のピッチに向かった。

 後半15分過ぎまでは両チームともなかなか決定機をつくれない時間が続いたが、関西学院大が同16分に動いた。MF仲原潤也(4年=C大阪U-18)、DF宇都木峻(4年=佐野日大高)を投入すると、同18分には中野のオーバーヘッドシュートが惜しくも枠を外れた。法政大は同20分、先制点を決めた橋本を下げてMF紺野和也(3年=武南高)を入れた。

 互いに攻め合った後半24分、法政大がついにスコアを動かす。ピッチ中央で前を向いた大西が松澤へロングボールを送り、ポストからのリターンでボールは再び大西の元へ。相手との競り合いでしっかりキープし、巧みな進路取りでPA左へ抜け出すと、相手GKが飛び込んだところをループシュートでかわし、正確にゴールマウスに流し込んだ。

 関西学院大は後半27分、FW山見大登(1年=大阪学院高)、FW林部晃己(2年=C大阪U-18)を一気に投入。法政大は同28分、ベンチスタートだったU-21日本代表FW上田綺世(2年=鹿島学園高)を送り込んだ。関西学院大は同30分、中野のFKからFW藤原樹(4年=市立西宮高)がヘッドで狙うもGK正面。法政大は同37分、右からのクロスに上田が頭で合わせたが、大きく枠を外れた。

 1点差で迎えた終盤戦、次に試合を動かしたのも法政大だった。後半40分、右サイドを単独突破した紺野の折り返しから途中出場MF青柳燎汰(4年=前橋育英高)が狙ったが、これは相手ディフェンスがブロック。しかし、こぼれ球に反応した大西がワンタッチでゴールを射抜いた。関西学院大は同44分、山見の折り返しから山本が狙ったがGK正面。スコアはそのままでタイムアップを迎えた。

 ボールポゼッションで優勢を保った関西学院大はシュート数でも相手より多い13本を記録。だが、法政大はDF蓑田広大(1年=青森山田高)、DF前谷崇博(4年=G大阪ユース)のセンターバックコンビに加え、アンカー気味に守っていたMF下澤悠太(3年=柏U-18)が最後まで崩れず。長山監督は「身体が張れるような立ち位置、コースを消すことはトレーニングからしていて、状況ごとに動けるようにしている」と水際での堅守を誇った。

 準決勝の相手は関東代表の順天堂大。FW旗手怜央(3年)、MF名古新太郎(4年)といったタレントへの警戒は欠かせない。「関学さんと似ているチームで、そのうえ旗手くんというストライカーもいる。今日の山本くんのように名古くんが絡んでくる形になるので、ストロングポイントに対応していきたい」(長山監督)。今季の対戦成績は1勝1敗の五分。集大成の大会で違いを見せ、ファイナルへの切符を掴む。

(取材・文 竹内達也)

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