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西日本対決は関西王者に軍配! 大阪体育大が福岡大を破り、2年ぶり4強進出

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大阪体育大が2年ぶりにベスト4進出

[12.17 インカレ準々決勝 大阪体育大1-0福岡大 熊谷]

 第67回全日本大学サッカー選手権(インカレ)は17日に準々決勝が行われた。熊谷スポーツ文化公園陸上競技場では大阪体育大(関西1)と福岡大(九州1)が対戦。大体大はMF堀内颯人(4年=奈良育英高)が決めた1点を守り切り、1-0で2年ぶりのベスト4進出を決めた。

 大体大は2回戦・静岡産業大戦(2-0)から先発を2人変更。DF林尚輝(2年=立正大淞南高)とMF西田恵(3年=関大北陽高)を起用した。松尾元太監督が「少し配置を変えて、中盤の枚数を増やした」と語るように、関西王者は4-3-3の布陣を敷く。アンカーに林尚が入り、堀内とMF平田健人(4年=星稜高)との中盤3枚で支配権を奪っていった。

 一方、1回戦から連戦の福大は、3試合ともにスタメン変更なし。4-4-2の持ち味を生かす布陣を敷き、目標の4強進出を懸けて大一番に挑んだ。

 大体大は前半6分、FW林大地(3年=履正社高)がハイプレスからボールを奪ってPA左に入り込むも、守備陣に潰されてチャンスを逸する。福大も同7分、DF饗庭瑞生(3年=立正大淞南高)のロングフィードからFW梅田魁人(3年=高川学園高)が収めてPA左へ。しかし大体大守備陣の素早い対応に手を焼き、フィニッシュまで持ち込めない。

 大体大は前半15分、平田が右サイドへ大きく蹴り、DF木出雄斗(2年=星稜高)が右足アウトサイドでシュートを打つが、ゴール左外にわずかに逸れる。互いに敵陣まで踏み込むが両守備陣は堅実に守り切り、大きな決定機がないまま試合は進んでいく。

 すると、大体大がスーパーゴールで均衡を崩す。前半22分に左サイドでFKを得ると、大体大はMF浅野雄也(4年=四日市四郷高/水戸内定)が左足でファーサイドにキック。PA右のDF田中駿汰(3年=履正社高)が豪快にシュートを打つも、GK真木晃平(2年=大分U-18)のビッグセーブに阻まれる。ボールはPA手前にころがっていくと、待ち構えた堀内が左足を一閃。一直線の弾道がゴールに突き刺さり、大体大が先制に成功した。

 先制を許した福大は前半30分、2試合連続ゴール中のスーパーサブ・FW今田源紀(2年=九州国際大付高)を投入。大体大は同41分に福大の波状攻撃を浴びるが、DF菊池流帆(4年=青森山田高/山口内定)らの気合いのディフェンスで乗り切っていく。前半アディショナルタイムには再び福大が攻勢に出るも、MF河原創(3年=大津高)のドリブルに堀内が体を入れて対応。ファウルを誘発して流れを切り、嫌な時間帯での失点を防いだ。

 福大は後半からMF大熊健太(3年=FC東京U-18)に代えてFW花田佳惟斗(3年=興國高)を入れ、より前線からの圧力を増していく。すると後半3分にビッグチャンスが訪れる。福大は敵陣に入り込み、PA右に流れたボールを梅田がマイナス方向に落とすと、DF青山生(4年=筑陽学園高)が渾身のシュート。しかし、力が入り過ぎたボールはゴール上に大きくはずれていった。

 福大の猛攻に対して、大体大はアンカーの林尚、CBコンビの菊池と田中が堅守を構築。特に菊池は「オリャー!」という得意の掛け声とともに何度も攻撃を跳ね返す。数えた限りでは10回以上にも及ぶ掛け声にスタンドの応援団も呼応。大体大が雰囲気を盛り立てていった。

 終盤に勢いをつけた福大だが得点には至らず、大体大が1-0で勝利。福大の乾真寛監督は「(2回戦の)明大戦で我々はすべてを出し切って勝利した。そのままメンバーを使ったのはちょっと厳しかった」と後悔を見せる。「ただ、交代で入ったメンバーが応えてくれたし、後半は見応えのあるサッカーだった」と選手を労いながらも、2年連続での準々決勝敗退には悔しさを覗かせた。

 大体大の松尾監督は、守り切った試合内容に及第点を与える。「本来やりたい形での攻撃ではなく、相手の良さを崩すという部分に重きを置いていた。苦しい中でも失点なしで勝てたということは大きかった」と手応えも語った。

 大体大の次戦は駒澤大。福大から駒大という対戦の順番は、奇しくも夏の総理大臣杯と同じ流れになる。ハードワークを得意とする駒大に対し、松尾監督は「うちの特徴は守備。良い守備からどう攻撃につなげていくか。浮足立たずに隙を見せずプレーして、しっかり勝ち切りたい」と意気込んだ。

(取材・文 石川祐介)
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