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12年ぶりVならず駒澤大はCB伊勢が出場停止…寮で4年間同部屋GK角井「申し訳ない」

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GK角井栄太郎

[12.22 インカレ決勝 法政大1-0駒澤大 駒場]

「伊勢には申し訳ない気持ちでいっぱいです」。そう言ってGK角井栄太郎(4年=三浦学苑高)は肩を落とした。

 12年ぶりの決勝に勝ち上がった駒澤大(関東5)だが、DF星キョーワァン(3年=矢板中央高)とともに屈強なCBコンビを形成していたDF伊勢渉(4年=神戸国際大附高)が累積警告で出場停止。応援スタンドからの観戦を余儀なくされた。

 ただ伊勢は、「みんながやってくれるという思いをもって、信じて観ていました。悔しいともっと思うかなと思ったんですけど、みんなやり切ってくれたなという思いの方が強かったです」。どこか清々しさを感じさせながら、帰路につく大勢の人波の中に消えて行った。

 伊勢の悔しい気持ちを人一倍感じながらプレーしていたのが、守護神の角井だった。2人は4年間、サッカー部の寮である四誓寮の同部屋で過ごした仲だった。そんな角井も今大会は故障を抱えながらの出場で、準々決勝では試合終了間際に相手選手と激しく接触。しかし「気持ち」で乗り切ると、「今日はラストなんでやり切るしかないと思った」と決勝戦でもピッチに立っていた。

 決勝への旅立ち、大学での最後の試合に臨むにあたって、寮の部屋を出る際も普段通りを心掛けた。「いつも通り送り出してくれた」ことで、「伊勢の分もしっかりやろうと思っていた」とより気合が入ったという。「結果に結びつけることが出来なかった。伊勢には申し訳ない気持ちでいっぱいです」。

 角井は高校1年生の時に出場したインターハイで、日本一を経験。“2回目の日本一”とはならなかったが、「ここまで来れたことは駒澤の歴史としてはいいこと」と近年、インカレにすら出場できなかった駒澤大の躍進に胸を張る。「後輩たちにもいい影響を与えられたと思う」。夢の続きは頼もしさを増した後輩たちに託す。

(取材・文 児玉幸洋)
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