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前回決勝は退場、1年越しの歓喜…法政大MF大西遼太郎「冷静にやれた」

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トロフィーを掲げる法政大MF大西遼太郎(3年=磐田U-18)

[12.22 インカレ決勝 法政大1-0駒澤大 駒場]

 前回大会のファイナルでは警告2枚で無念の退場。2度目のインカレ決勝に臨んだ法政大MF大西遼太郎(3年=磐田U-18)が今度はピッチ上で歓喜のホイッスルを迎えた。パワフルなプレーを徹底してくる駒澤大を相手に「正直良くはない試合展開」が続いたが、焦れることなく粘り強く戦い抜いた。

「駒澤との試合はいつもこんな感じ。固さがあったわけではなく、駒澤のサッカーに苦戦してしまった」(大西)。普段は球際で違いを作れる背番号5だが、この日は五分五分での競り合いを強いられる力関係。チームも容赦なく飛んでくる駒澤大のロングボール攻勢に苦しみ、自陣まで引かされる時間帯が続いた。

 だが、大舞台の経験が背中を押していた。「法政はアミノバイタル杯、リーグ戦で動員をかけていたので大観衆には慣れていたけど、駒澤はやっていかなかったので自分たちのほうが有利だって話をしていた」。昨季の決勝をこなしていたことに加え、普段とは異なる会場の高揚感にも準備ができていたという。

 また、個人としても「気持ち的に落ち着いてできた」と振り返る。前回決勝は後半25分に2枚目の警告を受けて退場。「昨年は気合が入りすぎていた部分があった。ただ、今年は試合中にみんなが笑顔でやっているイメージで、声を掛け合いながら冷静にやれた」とチーム全体に悔しい経験が蓄積されていたようだ。

 来季はチームを引っ張る最高学年となり、自身も進路を決めなければならない大事な1年を迎える。だが、守備的な持ち味を持つボランチは「今後の人生を考える前に、法政で結果を出せば自分のサッカー人生は成功に近づくと思う」とあくまでもフォアザチームに徹する構え。こちらも焦りはないようだ。

「自分は評価しづらい選手だと思うので、守備で違いを見せていかないといけない」。そんな21歳の目標は大卒1年目で日本代表に選ばれた川崎FのMF守田英正。「昨年の決勝では守備の迫力があるし、他の選手との違いを感じたし、プロに入ってからは攻撃もすごくうまい」と仰ぎ見る存在を目指し、ラストイヤーでさらなる飛躍を誓った。

(取材・文 竹内達也)
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