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「非常に屈辱的」な3か月…香川「必ず実現したい」のはスペイン移籍

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帰国後に取材に応じるドルトムントMF香川真司

 ドルトムントMF香川真司が23日に帰国し、18年を振り返りつつ、来年への思いを口にした。

 今夏行われたロシアW杯で背番号10を背負った香川は、グループリーグ初戦コロンビア戦で自身W杯初得点となるPKを沈め、2-1の白星スタートに導く。続くセネガル戦でも先発出場を果たし、第3戦ポーランド戦こそ出場機会はなかったものの、決勝トーナメント1回戦ベルギー戦でフル出場するなど、チームのベスト16進出に貢献した。

「特別な大会」と表現するW杯では「非常に良い経験をして、得たものはたくさんあった」と語る一方で、あと一歩のところでベスト8進出を逃したこともあり、「同時に悔しい思いをした」と悔しさを滲ませる。そしてW杯後、ドルトムントで新シーズンを迎えるが、ここから厳しい日々が続いた。

 今季から就任したルシアン・ファーブル監督の信頼を得られることなく、出場機会をなかなか得られず。第4節ホッフェンハイム戦で今季リーグ戦初出場を果たし、翌節のニュルンベルク戦でもピッチに立ったものの、その後はベンチ外が続いた。第17節を終えた時点でリーグ戦では2試合出場、時間はわずかに98分。その一方でチームは2位バイエルンに勝ち点差「6」をつけて首位を快走し、ウインターブレイクを迎えている。

「この1年は怪我もあり、言うたら構想外。なかなか競争ができず、したくてもできない状況が約1年続いた。この3か月は体は万全なのに、そこに加わらせてもらえないのは非常に屈辱的で、練習もろくにできない状況もあった。悔しい気持ちを常に抱えながら、この3か月を暮らしていた」

 そして、自身は「まだまだ成長できると思っている」からこそ、「19年を必ずいい年にしたい」と思っているからこそ、「まずはチームをしっかりと選んで、移籍に向けて集中したい」とドルトムントを離れる考えを明かした。

「どこになるかはまだ未定」と語りつつ、自身の目指すべき場所はスペインであり、「そのために常々動いてきて、なかなか実現できていないので、必ず実現したい」ときっぱり答えた。当然、「簡単にうまくいくものではないし、移籍先がない限り交渉はできない。これほど移籍が難しいものだと僕自身も肌で感じている」と移籍が自身の思いどおりにいかないことは理解している。

「100パーセントとは言い切れないけど、そこ(スペイン)を中心に探している。ただ、僕を欲しているチームがない限りは移籍はできないので、スペイン以外も視野に入れておかないといけない。自分がそのチームでどう成長できるか、活躍できるのか、そういうイメージがマッチしたところでプレーできたら最高だと思う」

 所属クラブでは苦しい時を過ごした18年。19年は再びピッチ上で輝く姿を見せるべく、自身の能力を発揮できる新天地を見つけることができるだろうか。

(取材・文 折戸岳彦)
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