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帝京が参入戦突破!選手権予選敗退も、後輩に05年以来のプリンス関東昇格をプレゼント!

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帝京高が3-0で勝ち、プリンスリーグ関東昇格

[12.24 プリンスリーグ関東参入戦2回戦 流通経済大柏高B 0-3 帝京高 前橋総合運動公園陸上競技・サッカー場]

 帝京が14年ぶりにプリンスリーグへ!! 24日、高円宮杯JFA U-18 サッカープリンスリーグ2018関東参入戦2回戦が前橋総合運動公園陸上競技・サッカー場で開催され、帝京高(東京)が流通経済大柏高B(千葉)に3-0で快勝。05年以来となるプリンスリーグ関東昇格を決めた。

 選手権出場権を勝ち取れなかった悔しさはもちろん、ある。苦杯を喫した11月17日の東京都Bブロック予選決勝から気落ちしたり、バラバラになりかけたりしながらも、スタッフに声がけされながら目の前の一日一日に取り組んできた帝京が、プリンスリーグ昇格を勝ち取った。

 主将のFW赤井裕貴(3年)は「みんなやり切って、出せる力を100%出せたので良かった。試合に出れない3年生や1、2年生も積極的にチームにかかわってくれていたので、最後は勝利をプレゼントしてあげたいなと思っていました。選手権に出れなくて、このプレゼントしかできないので、できて良かったです」と充実した表情を見せていた。

 帝京は前半4分、中央から右サイドへ展開すると、クロス後の混戦から赤井が身体を張って後方へ落とす。これに走り込んだMF中村怜央(3年)が右足ダイレクトでゴールへ蹴り込んで先制した。応援席から飛び出した仲間たちの下へ駆け寄ったイレブンが、一緒に喜びを爆発。1回戦で栃木SCユースに逆転勝ちした勢いのまま、好スタートを切った。

 対する流経大柏は、Bチームで千葉県1部リーグを制し、参入戦1回戦で甲府U-18を撃破した。この日は、主将のFW左部開斗(3年)やCB須永竜生(3年)、MF八木滉史(2年)、GK猪瀬康介(3年)らBチームでの出場資格を持つ主力級も先発。得意のセットプレーから左部がヘディングシュートを放ったほか、縦への勢いある攻撃から攻め返す。そして、39分には八木の強烈な左足シュートが枠を捉えた。

 だが、帝京はGK白鳥俊介(3年)が好セーブ。我慢強い守りを続ける。試合はロングボールが増える展開となったが、幾度か落ち着いてボールを繋ぎ、相手のプレスをかいくぐって見せる。

 そして、赤井の左足シュートなどで追加点を狙うが、流経大柏もGK猪瀬のファインセーブでピンチを回避。それでも帝京は後半6分、左SB石井隼太(2年)が左サイド後方から蹴り込んだFKを赤井が身体を投げ出してゴール前に繋ぐ。これに反応したMF中島涼太(3年)のゴールで2-0とした。

 さらに17分、帝京は石井が左サイド深い位置からクロス。これを196cmFW赤井が豪快に頭で決めて3点差とする。鹿島内定CB関川郁万(3年)らがピッチサイドから応援する流経大柏は、試合終盤にかけて猛攻。ロングスロー、CKからゴールへなだれ込もうとする。だが、帝京はDF梅木遼(3年)、DF久保莞太(3年)、DF鷲田優斗(3年)の3バックをはじめ、各選手が身体を投げ出してその攻撃をブロック。執念の守りを見せ続ける。

 流経大柏は、41分にMF古矢佑介(3年)がゴール前に飛び込んで放ったシュートがクロスバーを叩くなど、最後まで1点を奪うことができず。4分間のアディショナルタイムを経てカナリア軍団が歓喜の雄叫びを上げた。

 先制点の中村は「後輩にもいい背中を見せたかったですし、ここでタイトルしっかり取りたかったので、いい先輩の姿を見せられた」と語り、司令塔のMF三浦颯太(3年)は「選手権とかインターハイとか最後の最後まで結果が出なくて……、最後にプリンス参入できたので良かったのかなと思います。(後輩には)まず残留を目指してやってほしいかなと思います。(選手権、インターハイ出場へ向けて)頑張ってもらいたいです」と後輩たちへエールを送っていた。

 また、日比威監督は3年生を「良くやってくれました」と讃え、コーチングスタッフに感謝していた。そして、「自分たちのサッカーを貫いてやってきた。継続していかなければいけない」。大一番で彼らは取り組んできた連係での崩しなどを発揮して勝利。帝京は来年、プリンスリーグで自分たちのサッカーを継続し、最大目標である選手権出場に繋げる。

(取材・文 吉田太郎)

●【特設】高校選手権2018

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