beacon

[MOM2745]帝京FW赤井裕貴(3年)_196cmFWが1G2Aでプリンス関東昇格へ導く!

このエントリーをはてなブックマークに追加

後半17分、3点目のゴールを決めた帝京高FW赤井裕貴主将が、チームメートたちへ向けてガッツポーズ

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.24 プリンスリーグ関東参入戦2回戦 流通経済大柏高B 0-3 帝京高 前橋総合運動公園陸上競技・サッカー場]

 196cmの大型ストライカーが、抜群のパフォーマンスで帝京高にプリンスリーグ関東昇格をもたらした。

 大型FW赤井裕貴主将(3年)は前半4分、ゴール前の混戦から身体を張ってボールをMF中村怜央(3年)に落とし、先制点をアシスト。流通経済大柏高DF陣に対し、前線の攻防戦で主導権を握っていた赤井は、この後もPAでボールをキープし、強烈な左足シュートを見舞うなど存在感のあるプレーを見せる。

 そして、後半6分には左SB石井隼太(2年)が左サイド後方から蹴り込んだFKに反応。ファーサイドで身体を投げ出して折り返すと、これをMF中島涼太(3年)がダイレクトでゴールに蹴り込み、2-0となった。

 さらに17分には、石井の左クロスを圧巻の打点からヘディングシュート。本人は「石井ちゃんが凄くいいボールをくれていたので」と謙遜していたが、コーチ陣も驚く一撃を決めてチームを白星へと近づけた。

 帝京は11月17日の選手権東京都Bブロック予選決勝で敗戦。3年生はその後の東京都1部リーグ、プリンスリーグ関東参入戦まで高校サッカーを続けるかどうか各自の判断に委ねられた。勉強にシフトした選手らがチームを離れたほか、選手権予選敗退のショックを引きずっていた選手もいたという。

 その中で赤井は「練習や練習試合で熱いプレーを見せたりして、『まだ終わらないぞ』と意識してやっていました」。コーチ陣の支えも受けながらチームをまとめ続けた主将は、参入戦2試合でまとまりのある戦いができたことを喜んでいた。

 参入戦は自身にとってリベンジの舞台でもあった。8月の東京都1部リーグの試合で右足首を骨折、靭帯損傷。懸命のリハビリによって選手権予選に間に合わせたものの、「選手権の時は怪我したところへの恐怖感があった」と振り返る。思い切ったプレーができないまま、悔しい敗退。最大の目標だった選手権には手が届かなかった。

 それでも、コンディションが向上し、連係もより深まって迎えた参入戦はその悔しさをぶつけるようなパフォーマンス。栃木SCユースとの1回戦での2発とこの日の1ゴール2アシストの活躍によって、チームを05年以来となるプリンスリーグ関東の舞台へ引き上げた。卒業後は関東大学1部の強豪へ進学予定。日比威監督の「1年生からメンバーに」という期待にも応えて、大学サッカーで大暴れする。

(取材・文 吉田太郎)

TOP