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快進撃の金沢U-15、“替えが一番きかない選手”FW森田春樹が起死回生の同点弾

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FW森田春樹(3年、14番)が起死回生の同点弾を決めた

[12.27 高円宮杯U-15準決勝 高円宮杯U-15準決勝 金沢U-15 1-1(PK5-4) 浦和JY 味フィ西]

 動き始めれば一気に動く。サッカーとはそういうものだ。後半35分に先制を許したツエーゲン金沢U-15だったが同36分、MF土居海斗(3年)からのパスを受けたFW森田春樹(3年)がゴール前に抜け出すと、右足でゴールに流し込み、同点弾を奪った。

「土居選手が持った時には裏に出すと分かっていた。あとはGKの位置がずれていたので流し込むだけだった。(2回戦の)ジュビロ戦でも自分の最初のプレーで同じ形で決めることが出来た。慣れていた形のシュートでした」

 本来はスタメンで出続ける力のある選手だが、FW、SH、ボランチとどこでも出来る選手であることから、“替えが一番きかない選手”ということでベンチスタートになっている。過密日程で、レギュラーのどこに穴があくか分からないことも考慮。寺中克典監督にとっても苦渋の選択になっているという。

 森田にはさらに抜群の得点感覚が備わっている。昨年度、東北、北海道、北信越のU-14チームで行うリーグ戦『ポラリスA』で10得点を決めて得点王を獲得。ゴール前で森田にボールを渡せばどうにかしてくれる。チーム内の信頼は絶大だ。

 発足9年目での高円宮杯初出場。これまで東海第1代表の磐田U-15やFC東京U-15むさしら名門クラブを次々撃破。そして浦和レッズジュニアユースまでも下し、決勝まで勝ち上がった。

 夏に出場したクラブユース選手権では2回戦でC大阪U-15に0-7で大敗。だがその悔しさから、個人技術の向上を目指してチーム強化を進めてきた。そのことが冬の快進撃に繋がっている。

「夏の悔しい思い、優勝するという思いがここまで来させてくれたと思っています」

 全国の頂まであと1つ。今大会4得点の頼れる男は「自分が入ったら点を決めるだけ。点を決めて優勝します」と闘志を燃やした。

(取材・文 児玉幸洋)

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