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大卒1年目で日本代表へ…守田英正が「大学サッカーの後輩たち」に熱烈メッセージ

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流経大の後輩MF宮本優太(1年)に立ちはだかる日本代表MF守田英正(川崎F)

[12.30 練習試合 日本代表2-0流通経済大]

 飛躍の1年目となった2018年、最後に戦った相手は昨季まで在籍していた流通経済大だった。日本代表のトレーニングウェアに身を包んで古巣に対峙したMF守田英正(川崎F)は「1年目でこっち側を代表して戦えたのはうれしいし、流経の後輩だけでなく、大学サッカーの後輩たちに希望や目標を高く持ってもらえたら」と世の大学サッカー部員に熱烈なメッセージを送った。

 1年前は流経大の赤いユニフォームを身にまとい、中盤の要として全日本大学選手権の頂点に導いた守田。卒業後、Jリーグ王者の川崎Fに入団すると、シーズン序盤にレギュラーの座をつかみ、そのまま最後まで定位置を守り切った。9月には追加招集という形で日本代表に初選出されると、大卒ルーキーでは異例のアジア杯代表メンバー入りも果たした。

 驚くべき飛躍を遂げたシーズンを「ここまでイメージできていなかった」と振り返った守田だが、その胸には見事にJリーグ連覇を果たした川崎Fの一員としての誇りがある。「クラブで結果を出すことができれば見てもらえるし、クラブで頑張ることができたからこそ。1年目で代表でプレーできるようになれて良かった」と素直な喜びを語った。

 年明けすぐにはアジアカップが行われるUAEに出発するため、国内合宿はこの日が打ち上げ。最後の相手は奇しくも、母校の流経大だった。「楽しかった」とこぼした際には照れ笑いも浮かべたが、そんな心情は相手の選手やスタッフたちも同じか。35分ハーフの後半に守田がピッチへ登場すると、どことなく温かい雰囲気が漂っていた。

 ボランチの一角としてプレーした守田は対人戦で持ち味を見せ、マッチアップした“後輩”を跳ね飛ばす一幕も。攻撃面では、鋭い縦パスをMF原口元気(ハノーファー)に通し、相手のファウルがなければ1点という場面をつくった。「もう少し強ければシュートに行けた」と満足はしなかったが、「あれだけ大きく動いてくれれば分かりやすい」と広い視野をアピールした。

 また、終盤には「シュートで終わり切るような厚みがなかった」と周囲の戦況を察知し、積極的に攻撃に出る姿勢も披露。相方がトレーニングパートナーのDF菅原由勢(名古屋U-18)だったこともあり、「ポジショニングで相手を動かす」という黒子の役割は影を潜めたが、「年上なので自分がコミュニケーション取らないといけなかった」と新たな自覚も芽生えたようだ。

 いよいよ来年1月5日には初の国際舞台が幕を開ける。MF青山敏弘(広島)、MF柴崎岳(ヘタフェ)、MF遠藤航(シントトロイデン)が控えるボランチは最激戦区と目されるが、簡単に諦めるつもりはない。「アジアカップでは大会を通じてできることを増やしたいし、はっきりとストロングポイントを突き詰めていきたい」。プロの舞台で見せてきた成長力をまっすぐにぶつけるつもりだ。

(取材・文 竹内達也)
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