beacon

自信満々PKを豪快に外した“丸坊主の元気印”那覇西DF比嘉来揮、開幕戦を楽しむ

このエントリーをはてなブックマークに追加

DF比嘉来揮}は気持ちのこもったプレーをみせた
(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[12.30 選手権1回戦 駒澤大高 1-1(PK9-10)那覇西高 駒沢陸]

 沖縄から来た丸坊主の少年は、寒風吹きすさぶ高校選手権の開幕戦でも半袖だった。「試合中は寒いとは思わないです!アップでしっかり体を温めているので、半袖でも大丈夫です!」。那覇西高(沖縄)の元気印、DF比嘉来揮(3年)は気持ちよく言い放った。

 PKは一番手で蹴りたいと思うほど、自信があったという。しかし駒澤大高の一人目が外して迎えた3人目で蹴ったPKを思い切り蹴ると、ボールはゴール裏のスタンド席まで届かんばかりに豪快に外れた。

「外すのは中一の時以来」と頭をかいた比嘉。ただ「考えても意味がない」とすぐに切り替えて、仲間の成功と、GKのストップを願った。そして11人目のGK対決まで突入したPK戦、比嘉の思いは届き、仲間がミスを帳消しにしてくれた。「県大会も苦しい試合が多かった。先制されたけど、試合中は勝てるという雰囲気しかなかったです」。

 開幕戦を楽しんだ。会場のある駒沢オリンピック公園は駒澤大高のお膝元。この日も数多くの応援団が詰めかけていた。「相手の応援団がめっちゃ多くて、スゲーっていうのはあったんですけど、それでも試合前の円陣では、全員が俺たちのサッカーを観に来ているぜって話をした。だからあとは楽しんでサッカーをやるだけでした」。

 しかし沖縄から駆け付けた応援団もチャントに指笛を乗せて選手を鼓舞。特に同点弾が決まって以降は、会場全体に那覇西の空気を作りだしていた。「チーム一丸となって、あんなに相手の応援団が多い中で、応援し続けてくれた応援団の存在も大きかったのかなと思います」。完全アウェーの中で、みんなで掴んだ自信。沖縄県勢5年ぶりの勝利で今年の選手権の幕が開けた。

(取材・文 児玉幸洋)

●【特設】高校選手権2018

TOP