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粘り勝った米子北、3年連続初戦突破!! 地元・国士舘は後半に流れも1点遠く

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FW崎山友太(1年/14番)が決勝点(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[12.31 全国高校選手権1回戦 国士舘0-1米子北 駒沢]

 前回大会8強の米子北高(鳥取)が、15年ぶりの出場となった地元の国士舘高(東京A)に1-0で粘り勝った。米子北は1月2日、丸岡高(福井)と駒沢陸上競技場で2回戦を行う。

「国士舘さんも粘り強いので、粘り強かった方が勝つと思った」。米子北の中村真吾監督が言う通り、守備には自信を持つ両チーム。1点を争う試合展開はある程度予想された。だが、国士舘サイドからすれば、その1点を前半7分に与えてしまったことは誤算だったかもしれない。

 右サイドで米子北のMF佐野海舟(3年)がMF原田海(2年)へパス。それを中央へ折り返したところでFW崎山友太(1年)が右足で合わせた。3年→2年→1年のコンビネーションが見事に決まった。

 国士舘の上野晃慈監督は「前半のあの時間…、やられてはいけないところでやられてしまった」と振り返る。「前半は0-0でいい」と話したように、慎重な試合の入りをするプランだった。ところが緊張もあってか、身体が動き出す前に失点。「あれが全国(レベル)の(試合の)入り。15年ぶりにこの場所に来た我々には経験不足な部分です」と指揮官は肩を落とした。

 堅守速攻を標榜する米子北はボールへの集散が早く、国士舘の中盤に自由を与えない。国士舘も最初は出足の早さにてこずっていたが、球際の競り合いからファールを受け、多くのFKからチャンスを窺う。それでも米子北の守備陣はボールの取りどころをはっきりとさせ、淡々と守備に徹していた。

 米子北は前回大会8強のメンバーが残るとはいえ、1、2年生が多い若いチーム。「学年が下がるにつれていつもの力が出せていなかった。前半もう1点取って仕留められなかった」(中村監督)。

 国士舘もGK小松直登(3年)の好セーブなどで追加点を許さず後半へ。プレミアリーグWESTで鍛えられた米子北の安定した守備は継続されたが、時間が経過するにつれ、強引さが増してきた国士舘の勢いが鳥取の強豪を押し込み始める。

 すると、裏のスペースへのパスが通るようになった国士舘。「後半は流れが来た。国士舘大学にも全面協力してもらって準備してきたものが出た」(上野監督)。だが、主将のMF長谷川翔(3年)が起点となりチャンスを作るも、最後までゴールは奪えなかった。

 逃げ切った米子北は「(前回大会、駒沢で負けた)3年生たちが一つ大きく見えるくらい自信を持ってやってくれた。ここで前回の借りを返したいというがあったのでは」と中村監督は語る。最後までゴールを割らせなかった米子北の勝因は、昨年駒沢で敗れた悔しさの賜物か。最上級生の思いの強さが乗り移った選手権の舞台。淡々と、だが逞しさを増した米子北の「ベスト8超え」の挑戦が始まった。

(取材・文/伊藤亮)
●【特設】高校選手権2018

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