beacon

[MOM2758]米子北FW崎山友太(1年)_3兄弟とも米子北FW。沖縄出身の1年生ストライカーが決勝ゴール!

このエントリーをはてなブックマークに追加

決勝点を決めたFW崎山友太(1年)(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.31 全国高校選手権1回戦 国士舘0-1米子北 駒沢]

 前半7分。「クロスに全員で連動して点でつなげる、よく練習しているパターン」で右からのセンタリングに合わせ、殊勲の決勝ゴールを挙げたのは 米子北高(鳥取)のFW崎山友太(1年)だ。

 今大会の米子北のメンバー30人の中には崎山を含めて3人の1年生がいる。GK長崎勇也(1年)、DF横山凌雅(1年)とは「ずっとトップに入るので3人で何でも協力してます」とはにかむ。

「初めての選手権でこんな応援を受けるのも初めて。いいモチベーションになりました。もちろん緊張感はありましたが、プレーに影響が出るほどではなかったです。ゴールの実感はまだないです。1年生ではなかなかできない経験。結果を残して次へつながりますが、満足はしていません」と語るように、名門・米子北で1年生FWを張るだけの強心臓ぶりだ。

 出身は沖縄県。なぜ米子北に来たかと言えば、4歳上、7歳上の兄二人も米子北に進学していたからだ。しかも全員がFWで選手権にも出場している。「米子北に進んだ兄たちがいい選手に成長して、大事に育ててもらっているのを見ていたので自分も行きたいと思いました」。

 兄たちの経験が自分のキャリアにも活かされている。そう考えると、1年生ながらの活躍も不思議ではないかもしれない。さらに、前日の開幕戦で勝利した那覇西高(沖縄)には、出身のヴィクサーレ沖縄FC・ジュニアユースの先輩たちも出ていた。「当時はSBをしていた人がFWで出ているのを見て、自分も先輩のようにプレーしたいと思いました」と那覇西のFW高良竜太朗(3年)の話をしてくれた。

 1年生にとって貴重な経験となるゴール。だが試合後、中村真吾監督が「崎山もゴールを挙げたけれど、いつもより視野が狭かった」と厳しい評価。崎山は「まだ1年生の自分がメンバーに選ばれるということは、選ばれなかった3年生がいるということ。そのことを胸に力に変えて結果を出し、人としても成長したいと思っています」と、すでに次を見据えている。

 兄たちと沖縄と、そして上級生たちと――。様々な思いを背負いながら、“崎山友太”は今大会どこまで成長するのだろうか。

(取材・文/伊藤亮)
●【特設】高校選手権2018

TOP