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[MOM2760]尚志GK鈴木康洋(2年)_PK確信の指揮官が終盤投入…采配的中のスーパーストップ

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尚志高GK鈴木康洋

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.31 選手権1回戦 尚志1-1(PK5-3)神村学園 NACK]

 PK職人が仕事を果たした。尚志高は後半15分の先制から勢いのままに攻撃を仕掛けるも、神村学園高の終盤のFKでまさかの失点を食らう。PK戦を覚悟した仲村浩二監督は「(PK戦で)自信を持って送れる選手」であるGK鈴木康洋(2年)を投入。すると、鈴木はスーパーセーブでチームを救い、勝利に導いてみせた。

 PKは「直感と読み。自分を信じて飛んだだけです」と本能のままに止めているという。神村学園の2人目のPKに対してゴール左に横っ飛びし、右手でしっかりとはじいた鈴木は、スタンドに向けて歓喜のガッツポーズ。「やるしかないなと思いました。最高に嬉しかったです」。その後、尚志は5人全員がPKを沈め、5-3でPK戦を制した。

 鈴木がPKに手応えを掴んだのは、今月14日に行われた高円宮杯プレミアリーグプレーオフ1回戦のJFAアカデミー福島戦。GK森本涼太(3年)が退場となった絶体絶命のピンチで鈴木が投入され、直後のPK戦で結果を残した。2回戦でもそのまま先発し、横浜FMユースに2-1で勝利。2011年以来となるプレミアリーグ昇格を成し遂げ、指揮官は「PK戦で勝って、彼が決勝に出て、プレミアをつかみ取ったところもあった」と称賛する。

 小学1年生の頃からサッカーを始め、フィールドプレーヤーには一度も興味がわかず。「止めたら嬉しい。スッキリする感じ」とGKの魅力を口にする。好きなGKはマルク・アンドレ・テア・シュテーゲン。シュートストップを参考にし、その顔や髪型にも憧れを抱く。生粋のゴールキーパーは“PKストップ”という新たな武器を手に入れ、緩やかに成長スピードを上げている。

 「いつもと違う雰囲気」という選手権で、鈴木の願いは先輩たちとともに戦い続けることだ。「3年生と1秒でも長くサッカーをしたい。全国制覇を目指しているのでその気持ちは強かったです。このまま優勝に向けて頑張っていきたい」。優勝まではあと5試合。尚志がPK戦に臨むとき、再び鈴木がチームのためにゴールに立ちはだかる。

(取材・文 石川祐介)

●【特設】高校選手権2018

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