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[MOM2761]帝京長岡FW晴山岬(2年)_注目の“MVP”がフットサルの経験生かすハット達成

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帝京長岡高FW晴山岬がハットトリックを達成(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.31 全国高校選手権1回戦 帝京長岡6-0高知西 駒場]

 技巧派軍団のエースが全国の舞台で真価を発揮した。夏の全日本ユース(U-18)フットサル選手権を制した帝京長岡(新潟)は個の卓越したテクニックと鮮やかな連携からシュート21本を浴びせるワンサイドゲームを展開。同大会でMVPに輝いたFW晴山岬(2年)がハットトリックを達成し、時間帯としては今大会のハット“第1号”となった。

 スタメンの11人中6人が長岡JY FC出身。小学生時代から技術を磨いてきたMF谷内田哲平(2年)らとの距離感、コンビネーションは抜群だった。まずは前半18分、カウンターからDF手塚克志(3年)のフィードに抜け出すと、「いいところに置けた」というファーストタッチから鋭い仕掛けで相手を剥がし、GKの逆を突く右足シュートを突き刺した。

 後半3分には「阿吽の呼吸で自分が欲しいところに出してくれる」という谷内田の絶妙なスルーパスで最終ラインの裏に抜け出し、GKとの1対1を制して連続ゴール。後半6分にもDF吉田晴稀(2年)のパスから右足シュートでゴールを陥れ、全国の舞台で抜群の決定力を示した。

 フットサルの狭いコートで磨きをかけた技術、経験は得点能力にも生きている。GKとの1対1、駆け引きが磨かれた。「フットサルはゴールが小さい分、逆を突かないと入らない。GKの目、重心を見て、どっちに打てばGKが反応しづらいかをシュートを打つ前に確認しています」。

 谷口哲朗総監督もエースの非凡なゴール感覚を評価する。「ご存知の通り、今ノッてる選手。得点感覚に優れているのと、アジリティが高い選手。スピードもある」。絶大な信頼を寄せるからこそ、後半4分に受けた警告は“心配材料”。「イエローがいらなかった。後に響かなければいいな」と苦笑いを浮かべた。

 4点目、5点目のビッグチャンスもあっただけに、自己評価は「50点」と辛口だ。反省の要因は他にもあり、2トップを組んだFW小池晴輝(3年)がノーゴールのまま途中交代。「3年生に点を取らせたかった。自分の力不足だなと思っています」と上級生への思いも口にした。いきなりのハット達成は「おまけ」とチームの勝利を優先するゴールゲッターは、夏に続く日本一を見据えている。

(取材・文 佐藤亜希子)

●【特設】高校選手権2018

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