beacon

まさに天国と地獄…劇的FK弾からPK失敗、神村学園DF隈元聖也は指揮官の言葉に涙

このエントリーをはてなブックマークに追加

DF隈元聖也(左)の同点弾に歓喜の輪ができた

[12.31 選手権1回戦 尚志1-1(PK5-3)神村学園 NACK]

 神村学園高は0-1のまま、尚志高から攻撃を受ける時間が続いた。しかし後半39分にPA手前でFKを獲得。「FKになった瞬間はゾーンに入った」というDF隈元聖也(3年)の右足キックはゴール左に決まり、1-1となった試合はPK戦にもつれ込んだ。

 PK戦は先攻の尚志が2人目も決め、神村学園の2人目は隈元。「コースは左と決めていた」と、奇しくも同点FKと同じコースに右足シュートを振り抜いた。しかしPKストップを得意とするGK鈴木康洋(2年)のセーブに遭い、神村学園は3-5で敗れた。

 まさに天国と地獄。「迷わず蹴れたので後悔はない」と語りつつも、「次の舞台で絶対に結果を残してやると強い気持ちが生まれました。なのでピッチで涙は出せなかったです」と悔しさがないわけではない。

 すると、涙はロッカールームで溢れ出た。「監督に『お疲れ様』と言われ、心にグッとくるところがあって、そこで抑えられなくなりました」と振り返る。3年間は辛いことのほうが多かった。それでも監督には「感謝の気持ちしかない」と力強く断言した。「監督についてきて良かったと思ったし、このチームで最後にプレーできて幸せ者だと思いました。だからこそ勝てなかったことの申し訳なさから、来るものがありました」。卒業後は“関西の雄”阪南大へ進学する。サッカーで得た悔しさを、再びサッカーで還元していく。

(取材・文 石川祐介)

●【特設】高校選手権2018

TOP