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富山一、2点差追いつかれるも後半AT弾で西京振り切る…大塚監督安堵「初戦は何回来ても苦しい」

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富山一が競り勝った

[12.31 選手権1回戦 富山一3-2西京 フクアリ]

 富山一高(富山)が西京高(山口)に3-2で競り勝った。19年1月2日の2回戦では、秋田商高(秋田)と対戦する。

 富山一の大塚一朗監督は第一声で安堵した。「初戦は苦しいなと思っていたけど、何回来ても苦しいですね」。

 前半8分、相手も警戒していたと話すロングスローからMF小森飛絢(3年)の落としをFW佐々木大翔(3年)が押し込んで先制。1点をリードして折り返した後半11分にはGK近藤昭宏(3年)のロングキックを再び小森が頭で落とすと、またも佐々木が決めて、リードを2点に広げた。

 しかし今夏のW杯でもあった、今年の日本サッカー界を象徴する2-0というスコアはここからドラマを生む。後半28分、富山一は西京のMF木村悠人(3年)に鮮やかなロングシュートを決められると、同38分にはFKをDF伊藤大貴(3年)にヘディングで流され、FW冨田大登に同点弾を押し込まれてしまった。

 だが富山一はここから踏ん張った。PK決着に備え、GKの交代を準備する西京に対し、富山一は最後まで攻め続ける。そして後半アディショナルタイム3分、小森のFKから途中出場のMF高木俊希(2年)が千金ヘッドを叩き込み、勝利を手繰り寄せた。

 富山一は今季、高校年代最高峰のプレミアリーグに4年ぶりに参戦。結果は1勝4分13敗で最下位に終わり、プリンスリーグ降格となったが、多くの選手がレベルの高いリーグを経験できたことが何よりの財産になった。

 この日のスタメンの平均身長は167.2cm。控えを含めても168.2cmの低身長で、フィールドプレーヤーで一番大きい選手は決勝点を決めた高木の175cmだった。しかし得点の場面ではすべてヘディングが絡むなど、「しっかり練習させている」と大塚監督が話す強さを示した。

 インターハイの得点王でこの日も徹底マークに遭っていた10番MF小森が3アシストを決めるなど、さすがのチーム力の高さを示した富山一。そして「意図して試合を動かせていない」と指揮官に慢心もない。富山一は最後の国立開催となった2013年度大会以来、5年ぶりの頂点を目指す。

(取材・文 児玉幸洋)

●【特設】高校選手権2018

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