beacon

PK戦想定でGK交代を準備した西京、直後のAT勝ち越し被弾…「隙をみせてしまった」

このエントリーをはてなブックマークに追加

西京は粘り及ばず…(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[12.31 選手権1回戦 富山一3-2西京 フクアリ]

 2点差を追いついて後半アディショナルタイムに入ると、西京高の渡邉修身監督はPK戦に備えて、控えGK平山拓海(3年)の投入を準備し始めた。

 しかしその時だった。後半アディショナルタイム3分にFKを与えると、MF高木俊希(2年)にヘディング弾を決められてしまう。

「あそこでこちらが隙をみせてしまった」

 悲願の選手権初勝利に届かず、そう言って唇を噛んだ渡邉監督。「同点で終わる形に思わせてしまったのは僕自身。よく勝てば選手のおかげ、負ければ監督の責任と言いますけど、まさにその通りだなと思います」と責任を背負いこんだ。

 ただ戦前から富山一が有利との見方が強かった。そんな中で2点の先行を許した西京は後半28分にFW木村悠人(3年)のスーパーミドルで反撃を開始。そして同38分にはパワープレーから同点に追いついてみせた。

 渡邉監督は終始、「見ていらっしゃる方は楽しんでくれたんじゃないかなと。人の心を動かせる試合が出来たんだから胸を張って帰ろうよと言いました」と粘りをみせたイレブンを称える。

 ロッカールームで気持ちを切り替えた選手らも清々しい表情でバスに乗り込むと、福岡大に進学してサッカーを続けると話す木村は「西京がこの試合で全国で通用することをみせられたと思う。来年この舞台に戻ってきて、一勝をつかみ取ってほしい」と後輩たちに夢の続きを託していた。

(取材・文 児玉幸洋)

●【特設】高校選手権2018

TOP