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初出場大阪学院大高の善戦及ばず…強固な最終ライン築いた明秀日立が初戦突破

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昨季8強の明秀日立が2回戦へ(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[12.31 全国高校選手権1回戦 明秀日立1-0大阪学院大高 柏の葉]

 第97回全国高校サッカー選手権、県立柏の葉公園総合競技場では明秀日立高(茨城)と大阪学院大高(大阪)が対戦した。

 明秀日立が鹿島アントラーズ、大阪学院大高がガンバ大阪、とそれぞれ地域のJクラブのチャントをオマージュ。さらに、エール交換をするなどなごやかな試合前だったが、両チームとも気迫のこもった試合をみせる。

 前半、風上に立った初出場の大阪学院大高は、ロングボールを相手DFラインの裏に狙いつつ、アタッキングサードでボールを持てばパスワークでサイドから敵陣深い位置まで進入。MF田中英哲(3年)のドリブルも冴え渡り明秀日立ゴールに何度も迫ったが、明秀日立は体を張りシュートまで持ち込ませないディフェンスを展開する。中でも主将のDF高嶋修也(3年)は空中戦で無類の強さを発揮し、浮き球を跳ね返し続けた。

 互いにシュートチャンスが少ない中、確実にものにしたのは明秀日立。FW津村夢人(3年)の鋭いシュートはクロスバー弾かれたが、こぼれ球を FW二瓶優大(3年)が押し込んで2年連続3回目の出場となる明秀日立が先制に成功した。

 明秀日立の萬場努監督は「マジメな選手が多いので、先に1点取れれば勝てると思っていた。試合内容はある程度想定の範囲内でゲームが進んだ」とプラン通りだったことを明かした。

 大阪学院大高は技術の高さを見せ、らしさは発揮できたがシュート6本におさえられて終戦。ドリブラーの田中に仕事をさせないように、DF飯塚翼(3年)を4バックの右に抜擢した。「飯塚が起用な分、相手の強いところに飯塚を持っていくと最悪でも帳消しにできるかなと。それを決断するのは大変でした」。田中にペナルティエリアまでは幾度も入られたが、結果的に決定機をつくらせず、シュートもゼロにおさえこんだ。

「スキを見せたら負ける。うちはスキを見せてしまった」。激戦区大阪を突破し、初めて選手権の舞台に立った大阪学院大高の小野原明男監督は肩を落とした。「このレベルでサッカーをするにあたって、自分たちの甘い部分、弱い部分を見せては戦えない。もう一度勝ちに行くには、強い選手、人間になる」と説いた。

 明秀日立は高嶋、飯島、二瓶をはじめ、この日のスタメンのうち7選手が昨年度の選手権ベスト8入りをメンバーとして経験している。「ベスト8は着実に越えたい」。ひとつ目のハードルを越えた萬場監督が、2年連続となる選手権で目指す場所は高い。

(取材・文 奥山典幸)

●【特設】高校選手権2018

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