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サッカー人生に一区切り…高知西のシュート2/3本を放ったCB工藤、後輩に全国1勝託す

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攻守に奮闘したMF工藤篤弥(3年)(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[12.31 全国高校選手権1回戦 帝京長岡6-0高知西 駒場]

 選手権の戦いを終え、サッカー人生に一区切りをつけた。2度目の全国挑戦となった高知西高(高知)は今年度、技巧派の強敵・帝京長岡に屈した。大差をつけられた試合展開でも、MF工藤篤弥(3年)は最後まで気持ちを切らさなかった。

 0-4で迎えた後半17分、すでにハットトリックを達成していたFW晴山岬(2年)がエリア内に進入。前に出ていたGKがかわされ、PA内左角度のない位置から無人のゴールに流し込まれたが、決定的なシュートはカバーに走った工藤がゴールラインぎりぎりでクリア。「GKが出ていたので、弱いシュートをしっかり食い止めようと思って全力で走りました」。

 後半アディショナルタイム2分、CKのラストチャンスには攻撃参加で見せ場をつくった。左CKにニアサイドで反応し、ヘッドをかすめたシュートはゴールに向かったが、惜しくも枠を外れた。「元は攻撃的な選手なので攻めたい気持ちは大きい。ゴールが欲しくて、最後に2度だけ上がりました」。この試合でチームが記録したシュート3本のうち2本が工藤だった。

 選手権ではセンターバックを担ったが、元は攻撃力が持ち味のレフティー。昨年は左サイドハーフを主戦場としたが、今年に入ってからは左サイドバックを務め、負傷者も出たことで9月半ばにセンターバックにコンバートされた。

「センターバックをやっていく内にチーム全員で守ること、シュートを止める守備の楽しさも知って、最後は3年生が体を張って止めようという気持ちでやっていました」

 すでに推薦入試で大学進学が決まったチームメイトもいるが、工藤は今月19、20日に行われるセンター試験を受け、地元の公立大学を受験予定。「高校までずっとサッカーをやってきて、選手権にもまた来られて、いい経験はできた」。昨年11月、チームを逆転優勝に導いた選手権県予選決勝も色褪せることのない記憶だ。サッカー人生に一区切りをつけ、全国1勝の夢は後輩に託した。

(取材・文 佐藤亜希子)

●【特設】高校選手権2018

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