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「広島に勇気と希望を」初出場瀬戸内が5年ぶり県勢勝利!前日にはOBの鹿島FW安部が激励

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瀬戸内は前半22分のFW中川歩夢のゴールを守り抜いた(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[1.2 選手権2回戦 都市大0-1瀬戸内 味フィ西]

 第97回全国高校サッカー選手権大会の2回戦が2日に行われ、瀬戸内高(広島)が都市大塩尻高(長野)を1-0で下した。明日3日の3回戦では岡山学芸館高と駒沢陸上競技場の第1試合で対戦する。

 初出場の瀬戸内が広島県勢として2013年の広島皆実高以来、5年ぶりの勝利を挙げた。昨年7月に中国地方を中心とした豪雨被害が発生。選手宣誓の大役を務めた佐々木達也主将は、「広島に勇気と希望を」と想いを込めていたが、安藤正晴監督も「広島の方に伝わればという思いでやってくれた」とイレブンの奮闘を称えていた。

 先制点が決まったのは前半22分、瀬戸内は右サイドからスルスルとドリブルで持ち込んだFW中川歩夢(2年)がエリア手前から左足を振り抜く。コースを突いたグラウンダーのシュートはDF田島海都(3年)に当たってややコースが変わったこともあったが、GK伊藤爽真(3年)の指先を抜けて、ゴール右隅に吸い込まれた。

 その後も瀬戸内ペースで試合は進む。セットプレーでも主導権を握ると、DF篤快青(2年)や主将MF佐々木達也(3年)が精度の高いボールを蹴り入れる。同33分のCKを合わせた185cmDF児玉絢(3年)のヘッドは枠を捉えなかったが、都市大塩尻の守るゴールに迫り続けた。

 一方の都市大塩尻は前半でほぼチャンスを作ることが出来なかったが、後半に入ると3分のFW丸山楽人(3年)のシュートを皮切りに、勢いのある攻撃を見せ始める。

 後半7分にはMF太田大貴(3年)に代えてDF川口晃大(2年)を投入。右SBの二木七翼(3年)を一列前へ、さらにシステムを2トップにして、攻撃意識を強める。しかし同25分の二木のシュートが枠上に外れるなど、決定力を欠いてしまった。

 昨日1日には鹿島アントラーズに所属するOBのFW安部裕葵が、練習場に顔を出してくれた。「サッカーに対して常に謙虚で、常にサッカーを意識した生活していた」と佐々木が話すように、安部は誰もが尊敬してやまない先輩で、激励はイレブンに大きな刺激を与えていた。

 ただし慣れない都内でのホテル暮らしを強いられていることで、体重が増えてしまった部員もいるのだという。安藤監督は「次からの課題」と苦笑いで明かしたが、試合では問題なく、いつも通りのパフォーマンスを示した。

 明日3回戦の相手はプリンスリーグ中国でも戦う岡山学芸館高に決定。試合が終了した時点では対戦校は決まっていなかったが、安藤監督は「自分たちのことがどれだけできるかになる」と、どこが相手でも関係がないことを強調。この日得点した中川も「どっちの相手が来てもいいように、しっかり試合を観て、勝つイメージを作っていきたい」と力強く話していた。

(取材・文 児玉幸洋)
●【特設】高校選手権2018

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