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[MOM2771]日本航空GK橋本亮太(2年)_「得意じゃない」PKを6人目でストップ!日本航空の歴史変える立役者に

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6人目ストップで勝利に貢献したGK橋本亮太(2年)(写真協力『高校サッカー年鑑』)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 全国高校選手権2回戦 日本航空1-1(PK6-5)四国学院大香川西 駒沢]

 試合展開としては日本航空高(山梨)が押し込んでいた後半。先制に成功するも、追いつかれて迎えたPK戦では、GK橋本亮太(2年)にとって決していい流れとは言えなかった。しかも「PKは得意じゃないんです」。

 試合中の堂々としたプレーぶりからは想像がつかない、あどけない表情が印象的だ。学校としては6年ぶりの選手権出場。緊張しないわけがないと思いきや「今日はすごく楽しみで80分間もあっという間で。楽しめました」と笑う。そして迎えたPK戦。四国学院大香川西高(香川)の最初のキッカー5人全てに決められた。しかも、コースが読めたのは1人だけで、後は全て逆を突かれた。

「4本目くらいまで全て逆にいっていて。でもそのあたりから相手のクセがわかってきたというか。1本目から、キッカーはみんなインサイドで蹴ってきた。これは個々ではなく、チームとして全体でそういうキックで統一していると思った」

 そして6人目。相手のキックを読み切りストップ。「PKは3年生のGKの方が上手なので、試合終了間際に交代するかと思ってベンチをチラチラ見ていた。PKのことは全然わからない」とあっけらかんと言う。決して強心臓というわけではないが、どこか器の大きさを感じさせる守護神が、日本航空の選手権初勝利に導いた。

「PKを練習している時に『自分が信じた方向に思い切って飛べ』と。そのコーチのアドバイスが効いたかもしれません」と語る橋本。「(日本)航空の新たな歴史を作りたい。誠也さんに選手権でプレーしてほしい。だからここで終わらせるわけにはいかない」

 チームの中心、主将MF塚越誠也(3年)も次の試合には戻ってくる。紙一重の勝利がもたらしてくれたものは、チームにとってもとてつもなく大きい。いろいろな思いを抱え、それでも自然体の守護神が最後尾に控えているのは、思いのほか心強い。

(取材・文/伊藤亮)
●【特設】高校選手権2018

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