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「ヒガシさんに勝ちたくて…」1年前は“格下”今年は“互角以上”、成長遂げた尚志が東福岡にリベンジ!!

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尚志高(福島)が東福岡高(福岡)を下して3回戦進出(写真協力・高校サッカー年鑑)

[1.2 選手権2回戦 東福岡高0-2尚志高 駒場]

 第97回全国高校サッカー選手権2回戦が2日、各地で行われ、浦和駒場スタジアムでは6年連続20回目の出場となる東福岡高(福岡)と5年連続10回目の出場となる尚志高(福島)が対戦。前半31分に先制した尚志が後半35分に加点して2-0の勝利を収めた。2回戦を突破した尚志は3日の3回戦で前橋育英高(群馬)と対戦する。

 前回大会の初戦で対戦した両チーム。1年前は東福岡が3-0の完封勝利を収めて2回戦へと駒を進めていたことで、尚志はリベンジに燃えていた。仲村浩二監督は「去年はヒガシさんをリスペクトし過ぎて自分たちが格下みたいな臨み方をしてしまったけど、今年は互角以上の戦いが絶対にできるから、いつものウチらしいサッカーをしていこう」と発破をかけて選手たちをピッチへと送り出した。

 そして、その尚志が序盤から押し込む展開となる。前半7分にはMF坂下健将(3年)のスルーパスから抜け出したDF石川竣祐(3年)が好機を迎えたものの、相手選手のカバーに遭ってフィニッシュまで持ち込めず。さらに、そのプレーで得たCKをDF沼田皇海(3年)が直接狙うが、ゴールマウスに向かったボールはGK松田亮(3年)に弾き出されてしまった。

 押し込まれる時間帯が続いた東福岡だったが、DF西田翔央(3年)とDF丸山海大(2年)の2CBを中心としたディフェンスが集中力を切らさずに尚志の攻撃をはね返し続けると徐々に攻撃にもリズムが生まれ始める。前半28分には右サイドを駆け上がったDF中村拓海(3年)のクロスの流れからMF井本寛次(3年)が放ったシュートはGK森本涼太(3年)に阻まれ、こぼれ球に反応したMF篠田憲政(3年)のシュートはカバーに入った相手選手にブロックされてしまった。

 すると前半31分に尚志が先制に成功する。左サイドに出されたボールに反応したFW染野唯月(2年)が丸山との競り合いを制してPA内まで運ぶと、MF中村拓也(3年)に寄せられながら右足を振り抜く。シュートは松田に阻まれたものの、こぼれ球に駆け込んだMF坂下健将(3年)が豪快に右足で蹴り込み、スコアを1-0とした。

 後半に入ると1点リードしている尚志が立て続けにビッグチャンスを創出。後半3分、右サイドからMF加瀬直輝(3年)が送った鋭く弾道の低いクロスに飛び込んだFW二瓶由嵩(3年)が巧みに左足ボレーで合わせるが、好反応を見せた松田に弾き出されてしまう。さらに同11分には加瀬のパスをPA内で受けた染野が華麗なワンタッチで中央に送ると、DF高橋海大(3年)がフリーに。しかし、右足から放ったシュートはカバーに入った中村拓也にクリアされてしまった。

 反撃に出たい東福岡だったが、「背後からの守備を徹底している。相手の背後からボールをつつく守備がうまくできた」(仲村監督)と2列目の加瀬、高橋、前線の二瓶が決して手を抜かずにプレスバックをかけてくる尚志守備に手を焼く。そして、その後もゴールを脅かしたのは尚志だった。後半19分の坂下のミドルは松田にストップされ、同24分のMF吉田泰授(3年)のクロスから放った二瓶のダイビングヘッドは枠を外れたものの、同35分に右サイドを切り裂いたFW伊藤綾汰(3年)のパスが相手に当たってこぼれると、高橋が豪快な左足シュートをネットに突き刺してリードを2点差に広げた。

 その後も東福岡の反撃を許さなかった尚志が2-0の完封勝利。昨年のリベンジを果たして3回戦へと駒を進めた仲村監督は、「ヒガシさんに勝ちたくて1年間やってきた。出来過ぎだと思うけど、本当に選手たちがよくやってくれた」と悔しさを糧に成長を遂げた選手たちに労いの言葉を贈った。

(取材・文 折戸岳彦)

●【特設】高校選手権2018

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