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[MOM2775]尚志MF坂下健将(3年)_ 「お前が触らないとチームが回らない」…リベンジに燃えた“イニエスタ”

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先制点を奪った尚志高(福島)MF坂下健将(写真協力・高校サッカー年鑑)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 選手権2回戦 東福岡高0-2尚志高 駒場]

 1年前、ピッチに送り込まれたのは試合終了間際だった。チームは0-3の完敗を喫して初戦で大会から姿を消すことになった。だが、その悔しさを忘れずに1年間成長してきた尚志高(福島)MF坂下健将(3年)は、リベンジの舞台で大仕事をやってのけた。

 前回大会の1回戦で東福岡と対戦した尚志だったが、前半に1点のリードを奪われると、後半にも2点加点されて0-3の完封負けを喫していた。そして今大会の2回戦、尚志にとってリベンジの舞台が訪れる。1年前に後半アディショナルタイムに投入されていた坂下は、「去年のリベンジにすごく燃えていた」と必勝を誓って、その舞台へと向かった。

 試合が動いたのは前半31分だった。左サイドで粘ってボールキープしてPA内まで運んだFW染野唯月(2年)のシュートはGK松田亮(3年)に阻まれたものの、こぼれ球に走り込んだのがボランチの位置から飛び出した坂下だった。「カウンターのときは前に出ろと(仲村浩二)監督から言われていたし、コーチからは思い切りの良さが得点につながると言われていたので思い切って振った」と右足で強振したシュートは豪快にゴールマウスに収まり、貴重な先制点が生まれた。

 得点を奪うだけではない。仲村監督が「ウチにとっての(アンドレス・)イニエスタみたいな存在。それくらいの信頼を置いている」と語るように、巧みなポジショニングでボールを呼び込み、視野の広さを生かした正確なミドルパスで攻撃にリズムを生み出す。本人は「尊敬している選手は(ケビン・)デ・ブライネ」と答えつつも、指揮官の信頼を感じており、「『お前が触らないとチームが回らない』ともよく言われているので、そこは意識している」と攻撃を司った。

 2-0の完封勝利でのリベンジ完遂に「自分の得点で勝てたのはすごく嬉しい」と喜びを爆発させる。しかし、「勝ったことは今日で終わり。しっかりと次に切り替えて明日の試合に向けて準備したい」と視線を次戦へと移した。

(取材・文 折戸岳彦)

●【特設】高校選手権2018

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