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「強いチームから点を獲れないのはストライカーじゃない」。尚志のU-17代表FW染野が価値十分の決勝ゴール

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尚志高FW染野唯月が待望の全国初ゴール。前回優勝校の前橋育英から決勝点を挙げた

[1.3 選手権3回戦 前橋育英高 1-2 尚志高 浦和駒場]

 U-17日本代表のストライカーが待望の“全国初ゴール”を決めた。1-0で迎えた後半11分、尚志高ば右サイドをMF加瀬直輝(3年)が突破。ラストパスをFW染野唯月(2年)が右足でゴールに流し込んだ。

「自分は1試合目、2試合目と点獲れていなくて、自分の中では『点を決めてやろう』と思っていたので、前橋育英戦で点を決められて嬉しいです。(周囲から)『オマエが決めて勝ってくれ』と言われていたのでそれが結果に繋がって良かったです」

 今大会でチームは神村学園高、東福岡高と強豪を連破し、3回戦へ進出。強豪ブロックを勝ち抜いた。染野自身もチームの勝利が第一だと考えている。だが、ストライカーとしての焦りもあったという。それでも、前半から泥臭くポストプレーをし続け、空中戦で競り合うなど奮闘。自分の役割を続けた結果、チャンスが訪れ、自らのゴールに繋がった。

 ゴールを決めたことは嬉しい。何より強いチームから決めたことに価値を感じている。「強いチームから点を獲れないのはストライカーじゃないので、強いチーム相手にどれだけ点を獲るかが大事。前橋育英高校から点を獲るのは本当に難しいと思うので、点を決められたのは本当に嬉しいです」と喜んだ。

 12月に開催されたプレミアリーグプレーオフの横浜FMユース戦では、後半45分に劇的な決勝ヘッド。Jユースカップ優勝チーム相手に圧巻の打点からヘディングシュートを決めてチームをプレミアリーグ昇格へ導いている。そして今回は昨年度の選手権覇者・前橋育英から決勝ゴール。本人は「ポストプレーや、チームの辛い時に点取れるのは成長している部分かなと思っています」と頷いていた。

 プレミアリーグプレーオフ1回戦では競り合いで負傷して頭部をカット。救急搬送された。それでも傷口を医療用ホッチキスで処置してもらい、横浜FMユース戦ではその頭で決勝ヘッド。気持ちの強さを見せたFWは今大会でもまず1ゴールを決めた。

 目標の全国制覇まであと3試合。「強い」相手との対戦が続く3試合で、エースストライカーはゴールを決め続ける。

(取材・文 吉田太郎)

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