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“歴史的PK”から1日…帝京長岡が6年ぶり8強進出!!土壇場の逆転弾で長崎総科大附を振り切る

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帝京長岡高が長崎総科大附高に2-1で逆転勝利

[1.3 選手権3回戦 帝京長岡高2-1長崎総科大附高 浦和駒場]

 第97回全国高校サッカー選手権の3回戦が3日に行われた。浦和駒場スタジアムの第2試合では帝京長岡高(新潟)と長崎総合科学大附高(長崎)が対戦し、帝京長岡が2-1で逆転勝利。準々決勝は5日に開催され、帝京長岡は等々力陸上競技場で尚志高(福島)と対決する。

 帝京長岡にとっては6年ぶり、長崎総合科学大附にとっては2年連続のベスト8入りを懸けた一戦。立ち上がりは長崎総合科学大附が激しいプレッシングと縦に速い攻撃で主導権を握る。特に1トップに入ったMF鈴木冬一(3年)が効いており、前からの守備で貢献しつつカウンターの急先鋒となってチームをけん引した。

 昨年3月にC大阪U-18から転入した背番号18は、前半8分にPA内右での切り返しから左足を振り抜くが、強烈なシュートはクロスバーを直撃。それでも前半20分にゴールを仕留めた。中盤からドリブルを開始すると、DFと並走しながらPA内左に進入。相手の寄せを受けながらも左足でゴール右に流し込み、1-0とした。

 対する帝京長岡はマンマークで起点を潰してくる長崎総合科学大附の守備を前に、序盤は思うようにパスをつなげず。しかし、ピッチをワイドに使って徐々にボールを前に運べるようになると、前半38分にFW小池晴輝(3年)がPA内で倒されてPKを獲得。同39分、キッカーのMF谷内田哲平(2年)が右足でゴール左に沈め、1-1の同点で前半を折り返した。

 後半は互いにゴール前のチャンスが増加。長崎総合科学大附は後半5分に左CKからのクロスに鈴木が頭で合わせるが、わずかにゴール左に外れて勝ち越し点は奪えず。帝京長岡はMF中島颯太(3年)やFW晴山岬(2年)が惜しいシュートを放ったものの、相手と同様に次の1点が遠い。

 均衡状態が続いた中、スコアを動かしたのは帝京長岡だった。後半38分に左サイドのDF手塚克志(3年)がクロスを入れると、PA内の晴山が落とし、左横で受けたMF田中克幸(2年)が素早いコントロールから左足でシュート。一直線にゴール右隅へと突き刺さり、逆転に成功した帝京長岡がそのまま2-1で逃げ切った。

 決勝ゴールを挙げた田中は「前半はすごいプレッシャーを受けている感じがあったんですけど、後半は自分がドリブルで外したりすることができたので、それで気持ちに余裕ができて、最後に落ち着いて決めることができたと思います」と得点シーンを振り返る。

 前日2日の2回戦・旭川実高(北海道)戦(2-2、PK17-16)では、38人が蹴る“歴史的PK”を制していた帝京長岡。田中はこの一戦で「(自分が80分間で)決めてれば試合が決まっていたんですけど、みんなにPK戦になって申し訳ないと思っていた」と明かし、「今日は決められて最後に勝ち切れて、チームに恩返しできたかなと思います」と喜びを表した。

(取材・文 阿部哲也)
●【特設】高校選手権2018

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