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[MOM2793]帝京長岡MF田中克幸(2年)_チームで「一番注目されてもおかしくない」レフティーが劇的V弾!

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後半38分、帝京長岡高MF田中克幸(右)が決勝ゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.3 選手権3回戦 帝京長岡高 2-1 長崎総合科学大附高 浦和駒場]

 チームメート、指揮官も実力を認めるレフティーが劇的な決勝ゴールを決めた。1-1で迎えた後半38分、帝京長岡高は左サイドからSB手塚克志(3年)がPAへボールを入れると、FW晴山岬(2年)が1タッチで落としたボールがMF田中克幸(2年)の足元に入る。わずかなステップでシュートコースを作り出した田中が、左足シュートで逆サイドのゴールネットに突き刺し、熱戦に決着をつけた。

 このシーン、右サイドの田中は「ボランチの選手がずっと自分に付いてきていたので混乱させようと思って」中央にポジションを取っていた。その流れの中でボールサイドに寄ったところでボールが入り、巧みな身のこなしから左足を一閃。この決勝ゴールは前日の“リベンジ”の一撃でもあった。

「PK戦になるかなと思ったんですけれども、決められて良かったです。昨日も(2-2から)3点目を決めるチャンスがあったんですけれども、それを外してしまってチームに迷惑をかけてしまって……。きょうは『絶対に決める』と思って、最後決めきることができて恩返しできたことが良かった」

 前日の2回戦は“大会史上最長”の19人目までもつれ込むPK戦。決勝点のチャンスがありながらも、決めることができなかった田中だが、この日は見事な一撃でPK戦突入を阻止した。

 今年の帝京長岡は、U-17日本代表歴を持つMF谷内田哲平(2年)と全日本フットサル(U-18)選手権MVPのFW晴山岬(2年)の2年生コンビに注目が集まる。田中も国体を経験し、活躍しているとは言え、周囲からの評価は彼らの方が上。ただし、谷内田が興味深いコメントをしていた。宿舎で同部屋でもある田中について「自分や晴山が注目されているんですけれども、田中が一番注目されてもおかしくない選手だと思っています」。注目タレントも一目置くテクニックの持ち主が田中なのだ。

 その田中は古沢徹監督からも「非常に技術に長けている。左利きの独特のボールタッチが持ち味で、フィジカルがついてくれば上のレベルでも通用するのではないかなと」と期待されている存在だ。指揮官は彼のボールを受けてからシュートを決めるまでの一連の流れを「天性のもの」と絶賛。本人は今大会初戦で堂々とプレーする谷内田や晴山の姿を見て差を感じた部分があったというが、この日は得意のドリブルで侵入する動きを見せるなど、大舞台での経験を重ねるたびに自分の特長をより出すことができてきている。

 紙一重の勝負の中で力強さ、勝負を決める力を身に着けつつあるレフティー。帝京長岡にとって初の4強入りを懸けた準々決勝でも「決める」と意気込むMFが、再び結果を残してブレイクのきっかけを掴む。

(取材・文 吉田太郎)

●【特設】高校選手権2018

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