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[MOM2794]流通経済大柏DF横田大樹(3年)_「三本木になれ」の司令に応え、相手エースを完封!

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流通経済大柏高CB横田大樹は秋田商のエースFW長谷川悠をマンマークして完封(写真協力=高校サッカー年鑑)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.5 選手権準々決勝 秋田商高 0-1 流通経済大柏高 フクアリ]

「三本木になれ。三本木みたいなプレーをしろ」。流通経済大柏高の本田裕一郎監督は、CBとして先発起用した横田大樹(3年)にそのような指示をしたのだという。三本木とは昨年度の準優勝メンバーである先輩DF三本木達哉(現神奈川大)のこと。三本木は昨年度の選手権決勝で前橋育英高のエースFW飯島陸(現法政大)を徹底したマンマークで封じ込んでいる。この日、横田に課せられた使命は、秋田商高のエースFW長谷川悠(3年)をマンマークで封じることだった。

 本田監督は秋田商戦のポイントが「長谷川くんをどう封じるか」になると考えていた。スピードがあり、パンチのある左足も武器とする長谷川に対し、横田の持ち味はスピード。そして「今のメンバーの中で一番強い」(熊澤和希、3年)という対人の強さだ。

 中学3年の夏までCBを本職としてきた横田だが、身長が160cm台のため、将来のことを考えてボランチに転向。高校3年では主に左SBを務めてきた。今大会の出場は初戦で試合終了間際からピッチに立った1度のみだったが、練習でCBとしても好プレーを見せてきた横田に“長谷川封じ”の白羽の矢が立った。

 相手のCFを務めた長谷川を常に監視し、彼がサイドに流れれば付いて行くなどマンマークして自由を与えなかった。特に光ったのは簡単には彼にボールを持たせなかったこと。「自分は前に行く強みもある。そこは自分の強みでもあるので前に行くことは意識していました」という横田は彼に入ってくるボールに狙いを定めてインターセプトしてみせる。

 相手の危険人物に特長を出させなかった。被シュートはFKによる1本のみ。終盤は少し間を開けてしまい、ボールに触られてしまっていたが、それでも完封してのけた。本人も「やりにくさはありましたけれども、きょうは上手く対応できたんじゃないかと思います」と納得の表情。“三本木のような”プレーをやり遂げ、本田監督からは「良く仕事をさせなかった」と称賛され、コンビを組んだCB関川郁万(3年、鹿島内定)も「粘りっこいし、負けず嫌いな性格なので、それがいい方向に出たと思います」と讃えていた。

 横田は「三本木になれ」と言われたことについて、「マネはするんですけれども、自分のやりやすいマンマークのやり方をしました」と振り返る。上手く自分のスピードも活かしながら守り、完封したことは「なかなか自分も予選とか出場する機会がなかったので。今回それを勝ち取れて、貢献できたのは強みになっていますし、自信にもなりましたし、チームに貢献できたことは誇らしく思っています」と胸を張った。

 この日の“仕事”で自信を得たDFは、もっともっとチームの勝利に貢献したいという思いを持っている。「きょうプレーできたのも光栄だったけれど、あと埼スタ2戦(準決勝、決勝)出れるようにしっかり準備したい」。どんなアタッカーも“三本木のように”封じ込んで、またチームに白星をもたらす。 

(取材・文 吉田太郎)

●【特設】高校選手権2018

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