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[MOM2798]静岡学園MF浅倉廉(2年)_先制ミドル!上手い選手から、試合を決める選手へ

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静岡学園高のMF浅倉廉は先制ゴールを決めた

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.6 NB CUP準決勝 静岡学園高 3-0 横浜創英高 時之栖裾野G]

 最終学年、将来へ向けた変化を示すゴールだった。前半14分、静岡学園高のMF浅倉廉(2年)は右SB田中太晟(2年)からパスを受けると、細かなフェイントでマークを外し、右足ミドルをゴールに突き刺す。浅倉は「予選でも打って決めていたし、シュートも少なかったので、一本打とうと思って決まったので良かったと思います」と頷いた。

 浅倉は昨年、名門・静岡学園のトップ下を務めていた期待のテクニシャン。ポジショニングとスルーパス、献身的な守備に対する評価も高かった選手は、ボランチとして先発したこの日も正確なボールタッチと判断の良いパスで攻撃の中心になっていた。

 昨年から上手さを見せていた選手は今年、試合を決める選手へ変化しようとしている。昨年、先発出場のチャンスを得ていた浅倉だが、選手権県予選決勝は前半だけで途中交代。調子を落としていたプレミアリーグ参入戦はベンチ外だった。確かにスルーパスでのアシストは多かったが、シュート意識が低く、頭の中で優先されていたのはパス。それを今年は変えなければならないと感じている。

「去年は自分で試合を決める選手ではなかった。そこが課題で代えられたと思うので、前半から結果を残して常に怖い選手になれるようにしたい。自分から剥がしてシュートまで持って行く形をもっと増やして、もっと決定力を上げていきたい」。高まっているゴールへの意識。この日はドライブ気味のファインショットを決めたが、今大会の予選リーグでミドルシュートを決めたことも本人の自信になっているようだ。

 齋藤興龍コーチも彼の変化を感じとっていた。「(NB CUPで)気持ちいいシュートを何発か見ている。バイタル(エリアに)入っていって、(これまでも)受けるところは良いけれど、相手が来なければ打ちに行けるようになって、狙っている。(得点数が増えてくれば将来も、)かなり可能性が広がってくると思う。技術と判断力とあとはゴールですよね」。技術と判断力のレベルの高さは公式戦でも実証済み。これにゴールが加わってくることを期待していた。

 本人も認めるように、ディフェンス面などに課題があることは確か。ゴールも含めて課題を改善しなければ、「高卒でプロに行けたらいいし、目に見える結果を出していきたい」という目標を実現することはできない。上のステージに立つために、課題の改善と武器をより磨くこと、そして結果にもこだわる1年にする。

(取材・文 吉田太郎)

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