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日本vsトルクメニスタン 試合前日の公式会見要旨

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公式会見に出席する森保一監督とDF吉田麻也

 9日のアジアカップグループリーグ初戦でトルクメニスタン代表と対戦する日本代表は8日、アブダビのアルナヒヤーン・スタジアムで公式練習を行い、最終調整した。練習前には森保一監督がDF吉田麻也(サウサンプトン)が公式会見に出席した。

森保一監督
「アジアカップの初戦に向けて、チームとしてできる準備は選手もスタッフも日々、最善の努力をしてくれたと思っている。今の我々にできるベストな状態はつくってくれた」

―大会を前にプレッシャーを感じているか。
「オーストラリアが初戦で負けたり、タイがインドに大敗したり、昨日も韓国がフィリピン相手に1-0という難しい戦いを我々は見てきている。どの対戦国も力があるからこそ、このアジアカップに出てきていると思うし、我々はどのチームと戦うときも厳しい戦いを覚悟しながら最善の準備をしていかないといけない。大切なところは相手のことをリスペクトしつつ、我々がその試合で100%の力を出せるように準備することが大切だと思っている」

―W杯後、代表から引退した本田がオーストラリアで活躍しているが、彼が代表にいないのは寂しいか。
「彼が日本サッカー界にとって偉大な選手であることに変わりはないことをオーストラリアで彼のプレーを持って示してくれていると思う。彼自身が代表でのプレーを考えていないというふうに思っているので、今の日本代表でプレーすることは現実的でないと思っている」

―若い選手を多く起用しているが、リスクはないか。
「これまでの日本代表のことを考えたり、去年のロシアW杯の日本代表を考えたとき、私が監督になって経験の浅い選手が多く日本代表としてプレーすることになったと思っている。ベテランの選手をここで切り捨てて、新しい日本代表をつくるということではなくて、すべての選手、経験ある選手、ベテランの選手も含めて日本代表としての選択肢であると思ってチーム作りをしてきている。そこで若い選手たちに経験してもらって、日本サッカー全体のレベルアップをしていかなければいけないと思って若い選手を起用している。このアジアカップでこれまで経験の浅かった選手が自分の道を新たに切り開いて、ステップアップしていく意気込みをもってプレーしてもらいたいし、彼らがこの大会を通してステップアップすることで日本サッカー全体がレベルアップできると思うので、そういうことを監督として期待している」

―全員そろったのが6日だが、初戦で選手を選ぶ基準は。
「去年の国内キャンプからアジアカップに向けて準備してきたが、ケガ人等々のアクシデントもあったし、全体で練習できたことは満足のいく時間だったかというと、もっと時間があればなと思っていたが、与えられた時間、環境の中でいろんなことを考えて、最善のことはやってこれたと思う。もっと練習できればという部分ももちろんあるが、選手にリフレッシュしてもらうことが練習より効果があることと思ったり、そういうところはメディカル、コーチングスタッフ、チームとして考えたときに結論を出してやってきた。一つひとつ説明したいところだが、考えることが多くあるので、多くの判断の中で最善ということで進めてきた。選手を選ぶ判断材料としてもコンディションのところは一つ重要になると思っている」

●DF吉田麻也(サウサンプトン)
「(英語で)4年前はUAEに負けて大きな失望を味わった。今回は新しい監督を迎え、新しいチーム、新しいメンバーになっている。ロシアW杯後、自分たちに対する期待は高まっているが、大会を楽しんで、トーナメントを通じて自分たちを改善していき、最終的にはタイトルを取りたい」

―中澤選手、楢崎選手の引退が発表されたが。
「個人的にも特に楢崎選手に関してはずっとあこがれの選手で、背中を追い続けてきた選手。中澤選手に関しても中澤選手が代表を去ってから同じ22番という番号を引き継いで、ずっと背中を追いかけてきたし、今でも正直、見えない背中を追いかけているかなという感覚でいる。もちろん、試合数もゴール数も中澤選手にまだまだ追いつけていない。とにかく長い間お疲れさまでしたということと、これからまだまだ日本のサッカーに貢献していただきたいと思っている。さっき監督とも話したが、日本サッカー協会もそのキャリアを称えてこれからのセカンドキャリアをサポートしていただきたいし、それは川口選手にも言えることだと思う。日本サッカーに貢献してきた選手に日本サッカー界全体としてもっとリスペクトするべきかなと思うので、まずはお疲れさまでしたということと、またこれから日本サッカーを一緒に成長させていけたらいいなと思っている」

―4年間は厳しい終わり方だったが、今大会はどんな意味を持つ大会になるか。
「W杯と違ってアジアの中で勝たなければいけない状況、勝たなければいけない期待の中で戦うのはまた違ったプレッシャーになる。その期待の中で勝ち上がれるか、優勝できるかがポイントの一つ。そして、新しいチームが立ち上がって、これからまたアジアの予選を戦い抜く、もう一回W杯に出て結果を残すためのベースをつくり上げることが一つ。その2つが大きなカギになるかなと思う。先ほど出た選手たちだけでなく、今まで日本代表として戦ってきた選手たちがつくり上げてきたものをこの新しく若い日本代表がその誇りと責任を背負って戦う場だと思うで、その意味でもこの大会は大きな大会になると思う」

―グループリーグではオマーンやトルクメニスタンと対戦するが。
「ランキングで見ても日本より下のチームだと思うが、大会が始まってオーストラリアが負けたり、タイも大敗したり、韓国も大勝したわけではない。そういう意味ではとにかくどんなトーナメントも初戦は大事になるし、まずは初戦にしっかり勝つこと。それはW杯でも同じだったが、初戦に勝つことが一番大事になるし、予選を通してチームが成長していかないといけない。より成熟して、そのあとの戦いを戦えるように、まずはこのグループリーグを確実に突破することを目標にしている」

―期待はプレッシャーにもなると思うが、若い選手がその期待を力に変えるには。
「やはり期待イコールプレッシャーに変わり得る可能性はあると思うが、そのプレッシャーの中で戦えるようにならないと、この先、アジアの予選に関してもW杯に関しても、選手個々のキャリアとしても戦っていけなくなると思う。こういうプレッシャーの中で戦って、そういうところに身を置いて自分を少しでも成長させていくことが若い選手にとって成長につながると思う。これから欧州で活躍していきたいと思っている選手ばかりなので、そういう意味でもこのプレッシャーに勝たないと次のステップは踏めないぞという意味で、あえて期待という言葉を多く使っている。その期待の中で結果を出す難しさをこの大会を通じて克服できるようになることが日本サッカーの次のステップかなと個人的には思っている。もちろん、僕だけでなく、経験ある選手はそれをうまくサポートしながら大会を戦っていきたい」

(取材・文 西山紘平)

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