beacon

「自信を無くしかけた」失点から立ち直った青森山田DF橋本峻弥、兄と並ぶ選手権制覇達成!

このエントリーをはてなブックマークに追加

橋本峻弥にとって挑戦の一年だった(写真協力=高校サッカー年鑑)

[1.14 選手権決勝 青森山田高 3-1 流通経済大柏高 埼玉]

 2016年度、そして2018年度と高校選手権の頂点に立った青森山田高(青森)。その2世代のチームでは、DF三国スティビアエブス(現・順天堂大)とDF三國ケネディエブス(3年)の“三國兄弟”と、DF橋本恭輔(現・新潟医療福祉大)とDF橋本峻弥(3年)の“橋本兄弟”という2組の兄弟が中心選手として活躍していた。

 背番号4を背負ってプレーしていた兄の橋本恭は、大会優秀選出され、日本高校選抜入りをはたしたセンターバック。優勝後の取材時には、同じCBとしてプレーする2学年下の弟に期待を寄せていた。しかし、弟の橋本峻は「3年の春」にサイドバックへの転向を言い渡される。「正直、1年間とまどってばかりだったんですけど、わからないところはチームにカバーしてもらった」。試行錯誤しながらも「ヘディングは負けないように意識して、その後のカバーだったり、チャレンジだったりをやりました」と整理しながらSBを務めた。

 プレミアリーグEASTの開幕戦となった2018年4月8日のFC東京U-18戦(○4-0)でも、この日と同じ、橋本、DF二階堂正哉(3年)、三國ケネディエブス、DF豊島基矢(3年)が最終ラインに並んでいた。「左を見たらいつも3枚がいて。キツイときも、波に乗っているときもいつも一緒にいたメンバー。こうすればこいつはこうなる、とか全部わかっている」。信頼し合う仲間の存在が心強かった。

 そして迎えた決勝戦。セットプレーの守備時には、流通経済大柏高(千葉)のターゲットマンとなるDF関川郁万(3年)をマークしていた橋本峻だが、関川に振り切られ先制点となるヘディング弾を許してしまう。「失点したときは自信を無くしかけたんですけど、仲間が鼓舞してくれてそこから立て直せた」。その後、MF檀崎竜孔(3年)の2ゴールで逆転し、FW小松慧(3年)のゴールで試合を決定づけ、流通経済大柏に2点目を許すことなく試合を終えた。

 90分を戦い終え、ピッチに倒れ込んだのは敗れた流通経済大柏ではなく、青森山田のほうだった。「終わった瞬間、勝手に涙が出てきて……。泣かないって決めていたんですけど、優勝した瞬間にいろいろな人の顔が浮かんで」。悲願の日本一を達成し、橋本峻は歓喜の涙で“高校サッカー最後の試合”を終えた。

(取材・文 奥山典幸)

●【特設】高校選手権2018

TOP