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スピードスターが初のJ1の舞台へ…札幌FW岩崎悠人「ガンガン仕掛ける」

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北海道コンサドーレ札幌FW岩崎悠人

 今季、プロ生活をスタートさせた京都を離れ、北海道コンサドーレ札幌に完全移籍したFW岩崎悠人。東京五輪世代の快足アタッカーが、移籍を決断した理由から新天地に賭ける思いを語った。

「チーム悠人」の話に感動
一番の決め手は心揺るがす言葉


――2年間過ごした京都から札幌に完全移籍することになりました。
「昨年の12月中旬に移籍を決断しました。三上(大勝GM)さんや竹林(京介強化部長)さんの話を聞いて、シンプルに感動したというのが正直なところです。本当に僕のことを考えてくれていて、東京五輪やA代表、海外移籍までを含めて僕の目標をサポートしてくれると話して下さり、それが僕の中で決め手になったと思います」

――どのような話に感動されたのでしょう。
「『チーム悠人』と言ってくれたことですね。現場や代理人の方を含めて、僕の目標をサポートしていきたいと言われ、僕が純粋にサッカーに打ち込める環境を整えてくれていると感じています」

――2年前、京都橘高から京都加入を決断したときも、当時、強化本部長を務めていた細川浩三さんの言葉に感動していたと言っていました。岩崎選手にとって、言葉は重要なのですね。
「僕の中では一番大事で、一番の決め手になるかもしれません。今回、移籍する際、条件だけを見たら正直、他にもいいクラブはありましたが、資料で説明されるのではなく、僕への思いを話してくれたことに素直に感動したので、お世話になろうと決めました」

――初めての移籍、初のJ1でのプレーになります。
「ステージが変わるので、あまりイメージがつきません。でも、杉ちゃん(湘南・杉岡大暉)がJ2からJ1に上がった経験があるので、いろいろな話を聞きましたし、五輪代表のドバイ遠征(18年11月)のときに三好(康児)くん(昨季札幌在籍。今季は横浜FMに期限付き移籍)や菅(大輝)ちゃんから話を聞いて、今は楽しみの方が大きいです。札幌には京都でお世話になった菅野(孝憲)さんもいるので、チームに馴染むのも問題ないと思っています」

――京都での2年間を振り返ってもらえますか。
「プロになりたての頃は、高校の時の勢いのままに行けるんじゃないかと思っていた。今、考えると軽い気持ちだったのかもしれません。全然うまくいかずにトゥーさん(田中マルクス闘莉王)からも色々と指摘されたし、18年シーズンは正直サッカーが嫌いになるくらい、辞めたくなるくらい苦しい時期もありました」

――どういう部分で苦しさを感じていましたのでしょう。
「ケガをした影響もありましたが、チームの決まり事がある中で自分らしいプレーができず、どうしたらいいか分からない状況が続いていた時期は苦しかった。何ていうんですかね…。自分はファン・サポーターの方に期待されているけど、自分のプレーで返せないというか。でも、どん底の状態のときにアジア大会(18年9月)があって、森保(一)監督に『自分の良さを出して自由にやっていい』と言われ、そこですごい吹っ切れた部分はありました(全7試合出場、チーム最多の4得点を記録)」

――苦しい時期もありましたが、京都で得られたものも多かったと思います。
「苦しい時期を過ごす経験ができたのも良かったと思っているし、僕が今後サッカー選手として生きていくためには、めちゃくちゃ必要だった2年間だったと感じています。トゥーさんを含めた先輩方がいろいろなことを教えて下さって、いい勉強になったし、サッカー以外のところでも成長できました。本当に感謝しています」

――札幌は五輪代表と同じく3-4-2-1のシステムがベースになります。
「五輪代表とサッカーが似ている部分もあると思っているので、もしシャドーで出場機会を得られたら、そのポジションの経験を積める良い環境だと思う。超攻撃的で面白いサッカーをしていると感じていたし、ミシャさん(ペトロヴィッチ監督)の指導を受けられるのも楽しみですね」

――昨年1月に中国で行われたAFC U-23選手権の頃はシャドーの位置でのプレーに戸惑いもありましたが、1年を通してシャドーが自分のポジションになってきている手応えもあると思います。
「中国のときは全然ダメでしたね(笑)。シャドーのポジションの難しさに悩まされたけど、アジア大会のあたりから、どこにポジションを取れば良いのかが徐々に分かってきたので、そこは成長かなと思う。ただ、ドバイ遠征のときはミスが多かったし、低い位置にポジションをとってしまったことでうまくプレーできなかったので、シャドーは高い位置を取らないといけないと改めて感じています。札幌では常にシャドーのポジションでプレーできる環境があると思うので、勉強しながら成長につなげていきたいですね」

――プレーを支えるサッカースパイク「X(エックス)」の印象を教えて下さい。
「めちゃくちゃ履き心地が良いし、軽いところが好きです。僕は運動量が多いタイプのプレーヤーで、スピードも重要視しているので、軽さという部分は本当に大事になってきます。あと、足にフィットしてくれるのでターンもボールタッチもしやすく、僕のプレーに合っているスパイクですね。なかなか、ないんですよ、軽くてフィット感のあるスパイクって。だから、本当にありがたいなと思っています。あと、カラーがコンサドーレカラーなので、札幌の一員として早くピッチ上でプレーしたいですね」

――最後に19年の抱負をお願いします。
「特長であるスピードを生かしつつ、ゴールにガンガン仕掛けて、相手をいなすようなドリブルを見せていきたいし、勝利に導くようなゴールでチームに貢献していきたい。五輪代表の活動もすごく大事ですけど、まずはクラブが大事で、札幌でポジションを勝ち取って試合に絡むことを目標にやっていきたい。毎日、毎日、毎試合、毎試合、しっかりと良い準備をして全力でやることができれば、自然と五輪も見えてくると思うので、日々の努力を忘れずに精いっぱい頑張っていきます」

(取材・文 折戸岳彦)

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