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“イランキラー”襲名へ…前回対戦でゴールの武藤「やりにくさはなかった」

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前回の対戦でイランからゴールを決めているFW武藤嘉紀

 アジアカップ準々決勝のベトナム戦(○1-0)から一夜明けた25日、日本代表はUAEのドバイで練習を行った。ベトナム戦に先発した11人は宿舎での調整となり、ベンチスタートだった11人がグラウンドで汗を流した。チームは明日26日、準決勝のイラン戦が行われるアルアインに移動する。

 心身ともにリフレッシュした。ベトナム戦が出場停止だったFW武藤嘉紀(ニューカッスル)は一夜明けの練習を終え、「だいぶ元気になった。むしろコンディションは上がった」と気持ち良さそうに汗をぬぐった。グループリーグ最終戦のウズベキスタン戦(○2-1)、決勝トーナメント1回戦のサウジアラビア戦(○1-0)と2試合連続で先発出場。ウズベキスタン戦では起死回生の同点ゴールを決め、サウジアラビア戦でも1トップとして終盤に足がつるまで走り抜いた。

「次は100%の状態で行ける。楽しみです」。ベトナム戦の後半27分から途中出場し、4試合ぶりの戦列復帰を果たしたFW大迫勇也とともに、武藤の出場停止明けは森保ジャパンにとって追い風だ。ウズベキスタン戦のゴールが1192日ぶりだった武藤だが、最後に得点したのが15年10月13日にイランのテヘランで行われた国際親善試合のイラン戦(△1-1)だった。「あのときも強いとは思ったけど、やりにくさはなかった」と心強い。

 FIFAランキングではアジア最上位の29位(日本は50位)。今大会もこれまでの5試合で12得点無失点という完璧な試合を続けている最大の強敵だ。「強いと思うけど、この死闘を制して決勝に進めれば」。そう闘志を燃やすストライカーは「ノックアウトだし、先に点を決めたほうが間違いなく有利。前半で一撃を食らわせることができれば、それほどいい展開はない。(日本の)ディフェンスは安定しているし、絶対ゼロに抑えてくれる。前が決めてあげられれば。ここ数試合、迷惑をかけているので」と、守備陣に応えるゴールを誓った。

 イラン戦では大迫が1トップで先発に復帰する可能性もあり、その場合はベンチスタートが濃厚だが、試合展開によっては大迫との2トップで得点を狙いに行く状況も考えられる。「(大迫と)合わせられる自信はある。大迫選手はおさめられるし、パスもはたけるし、決めることもできる。おさめてくれると周りが空いてくるし、そこを狙っていければ」とイメージを膨らませた。

 これまでの5試合はすべて1点差勝利で、サウジアラビア戦は相手にボール支配率76.3%を許し、ベトナム戦では5バック気味の相手を攻めあぐねた。サウジアラビア戦はCKから、ベトナム戦はPKでの決勝点と、流れの中からなかなかゴールを奪えていない現状もある。それでもベスト4まで勝ち上がってきたのはチームの力だ。「次の試合は間違いなくここまでの試合とはレベルの違う相手になる。サウジアラビアも素晴らしかったけど、それ以上にすべてを出し尽くさないと勝てない。内容で叩かれても、勝てばいいと思っている。しっかり勝ちます」。武藤は力強く言い切った。

(取材・文 西山紘平)

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