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相手を称えたベント監督だが…韓国紙はポルトガル人指揮官の薄情さを批判「謝罪がなかった」

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韓国紙がパウロ・ベント監督を批判

 韓国代表は25日のアジアカップ2019・準々決勝でカタール代表に0-1で敗れ、ベスト8で大会を去ることになった。自国の早すぎる敗退に、韓国メディアの怒りは収まらないようだ。

 韓国は2004年大会でイランに敗れて以来、15年ぶりに準々決勝で姿を消すことに。韓国メディアは挙って「アブダビの惨事」と伝え、敗れた相手が2017年のロシアW杯アジア最終予選で屈辱を味わったカタールであったことも「痛恨の敗北」と言わしめる所以となった。

 試合後の公式記者会見でパウロ・ベント監督は、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)によりファン・ウィジョのゴールが認められなかったことについて「結論だけ申し上げると、それは試合結果に影響を及ぼさなかった」とキッパリ。「チャンスを効率的に生かすことができなかったのが、私たちが脱落した原因である」と、冷静に敗因を述べていた。

 そして「私たちが好きなようにゲームをコントロールしたが、(カタールは)組織力が強い相手だった。かなり対等な試合だったと思うが、相手が我々よりも効率的に試合をした。カタールの勝利を祝うよ」と、素直にカタールの勝利を称えていた。

 これについて韓国の『スポーツソウル』は、「ベント監督は説明もよく、省察もよい。しかし、彼は夜の睡眠時間を削りながら韓国サッカー栄光の再現を期待していたファンたちへのメッセージがなかった。非常に物足りなさが残る」と、ポルトガル出身指揮官を痛烈に批判した。

「彼は試合の感想において、相手チームのカタールにお祝いのメッセージを送り、惜しかった点を並べて総評をした。そして、審判の判定については、クールな姿を見せていた。敗北について他人のせいにはしない寛大な姿を見せたが、記者会見を通じて敗北の謝罪はしなかった」

 その上で同紙は「今回のアジアカップは韓国サッカー界がこれまで以上に期待をしていた大会だった。専門家たちも韓国を優勝候補に挙げていただけに、8強での脱落は、誰も予想だにしなかった結果だ。このような点を考慮すれば、早期脱落の考えと一緒にファンへのメッセージを伝えることが当然だと思う」と厳しい意見を投じた。

 最後に「ベント監督は、指導者としての経歴が長いだけにインタビュースキルも水準である。しかし、最も重要なときに自分がすべき話をしなかった点は残念な気持ちに残る」と、その薄情さに落胆の色を隠さなかった。

 ロシアW杯でのグループリーグ敗退後、韓国代表再建を託され、強豪ウルグアイを撃破するなど、アジアカップまでの7試合を無敗に導いたベント監督。アジアカップでは結果こそ残せなかったが、韓国に新しい風を吹き込んだ。かつてポルトガル代表を率いるなど経験豊富な知将は、批判にさらされるいま、何を思うか。

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