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開幕戦でダメ押し弾のアンプティ日本代表・エンヒッキがゴールより大切にしているもの

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エンヒッキは鋭い切り返しで相手を抜き去る

[1.26 アンプティ東日本リーグ FCアウボラーダ 3-0 ガネーシャ静岡(兼松株式会社都賀グラウンド)]

 パイオニアの貫禄を見せた。下肢や上肢を切断した人がプレーするアンプティサッカーを日本に紹介し、2010年の協会発足から尽力したブラジル出身のエンヒッキ松茂良ジアスが2点リードの後半5分、ゴールを決めて、この時点でチームの勝利をほぼ決定づけた。

「今年初の公式戦なので、連携面ではまだまだ修正しなければいけないところはたくさんありました。とりあえず勝ち点3が大事。個人的にはもっと夏の全国大会にむけてやっていかなければいけないことある。でも、例年だとこの時期、チーム内の試合にとどまっていたけど、このリーグ戦のような公式戦になると気持ちがさらに変わってくる。だから(リーグ戦の開幕は)意味があると思います」

 競技人口を増やすことが代表強化につながる、と一貫して訴えてきたエンヒッキにとって、待ち望んでいた東日本リーグ開幕だった。 

「試合の数が増えれば、競争力高まる。モチベーションもあがる。プレーの質もあがるし、その結果、代表も強くできると思います。日本は昨年のW杯でも5位に入ったポーランドに勝っているので、ベスト8に入れる力は持っているはず。ミスに対する甘さを解消したい」

 この試合では、前半途中から出場した10歳の久保満寛に意図的にボールを集め、公式戦初ゴールを決めさせようとした。大人相手の試合でゴールを奪った自信が、久保の劇的な成長をアシストし、結果的に日本代表の強化につながると考えているからだ。アンプティサッカー界全体を常に見わたすエンヒッキが、これからも中心にいる。

(取材・文 林健太郎)

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