beacon

日本vsイラン 試合前日の公式会見要旨

このエントリーをはてなブックマークに追加

公式会見に出席する森保一監督とMF遠藤航

 28日のアジアカップ準決勝でイラン代表と対戦する日本代表が27日、UAE・アルアインのハッザーア・ビン・ザーイド・スタジアムで公式練習を行った。練習前には森保一監督とMF遠藤航(シントトロイデン)が公式会見に出席した。

森保一監督
「ベトナム戦から中3日ということで準備を進めてきているが、選手たちは非常に落ち着いていて、いい準備ができている。今日これからもう一度、試合前のトレーニングをチーム一丸となって行い、明日、いい状態で試合に臨めればと思う」

―僅差で勝ち上がってきていて守備的な戦いをしている。04年のギリシャのような戦いを見せているとも言われているが。
「難しい戦いはすべての試合で覚悟している。(日本は)まだまだ完成されたチームではなく、未完成で、成長しながら結果を出していこうとしている。選手たちが1試合1試合、結果を出しながらいろんなことを学び、チームとしてステップアップできていると思う。僅差で勝ってきている、すべて1点差で勝利しているところについては、どんな内容のゲームであっても勝利するということで、選手たちが勝ちにこだわってやってくれている。しぶとく勝つのは大切なことなので、選手たちはよくやってくれている。我々がやろうとしていることにトライする中、明日も思い切って我々がやろうとすることにトライしてほしいし、アグレッシブにプレーしてほしい。難しい時間もたくさんあると思うので、その中で我慢強く戦ってほしいと思う」

―イランは今大会の5試合で12得点無失点だが。
「FIFAランキングでもそうだが、イランはアジアの中でトップトップの強いチームだと思っている。それがアジアカップでもデータとして表れているのかなと思う。我々はどんな相手に対しても敬意を払い、そのうえで我々が持てる力をどれだけ出せるかということでやってきている。イランは手ごわいチームだが、しっかり勝利をつかみ取るためにチャレンジできればと思うし、選手には思い切ってプレーしてほしい」

―イランはフィジカル的に強いが。
「サッカーはゴールを奪い合うスポーツだと思うが、その前にボールを奪い合うスポーツだと思っている。球際のところでしっかりバトルして戦う姿勢を示してもらえればと思う。そこから我々が攻守としてやるべきことを出していければと思う」

―これまで試合翌日は午前中に練習して午後に移動していたが、今回は午後に練習して移動も一日遅らせたが、その理由は。
「スケジュールは我々が決めたものだけでなく、その状況に合わせてやらないといけないのがこないだの状況だった。与えられた環境の中で最善の準備をすることだけを考えてやっている。こないだの状況に関しては、我々が決めたのではなく、決められたスケジュールの中で動いたということ」

―日本は東京五輪、カタールW杯に向けて若い選手を加えているが、そういう状況でイランを倒す自信は。
「目の前の一戦で勝利を目指し、難しい状況をモノにしてきた。イランは手ごわいチームだが、我々は厳しい戦いを覚悟して、勝利を目指して戦いたい」

―92年のアジアカップではグループリーグ突破を懸けた試合でイランに1-0で勝っている。大きな試合を前に当時を思い出すことはあるか。
「今、言われて92年に広島で行われたアジアカップのことを思い出した。イラン戦のカズさんが決めたシーンも鮮明に思い出した。明日もそういう試合が見せられるように選手にはファイトしてほしい。当時と今の日本サッカーは大きく違うと思っているが、チームの雰囲気としてチーム一丸となって、みんなで支え合って絆を持って戦おうという雰囲気は同じかなと思っている。当時はアマチュアからプロに移行する流れの中で、アジアカップで一戦一戦サッカーが盛り上がっていき、注目されることを感じながらプレーしていた。今は日本のプロサッカーが成熟、成長して、選手もいろんな経験を積んで、多くの選手が欧州に出て、世界のトップと呼ばれるリーグで貴重な経験を積んでいる。そういう違いがある。代表のモチベーションは同じだと思うが、あの当時は優勝したこともなくて、広島のアジアカップで優勝するんだという気持ちでチャレンジする気持ちで臨んでいた。チャレンジする気持ちは変わらないが、今は勝って当たり前、優勝して当たり前という雰囲気の中、選手が大きなプレッシャーの中で自らをコントロールして戦っていると思う」

―サウジアラビア戦では日本のポゼッションは20%台だった。ベトナム戦では増えたが、イランはより強いチーム。どう戦うのか。
「まずはしっかり球際のところでバトルすること。相手のプレスを回避できるように攻撃のところもボールを握れるようにチャレンジしていければと思うし、選手にもチャレンジしてほしい。どういう展開になるかは分からないが、サウジアラビア戦も我々がやろうとすることがなかなかできない中、いい形で先制点を奪い、どうしたらこの試合をモノにできるかを選手が賢く考えてプレーしてくれたと思う。トライすべきところはトライしてもらい、試合の流れをみんなで感じ取りながら意思統一して戦ってもらえればと思う」

●MF遠藤航(シントトロイデン)
「いよいよ準決勝イラン戦ということで、非常にタフで厳しい試合になると思うが、今、日本代表は我慢強く戦えていると思うし、それを継続して明日の試合でも出していきたい。個人としては中3日で良いコンディションをつくれているので、明日もしっかりと自分の良さを出せる準備をしていきたい」

―イランはW杯のメンバーが多く残っている。日本は新しい選手も多いが、どういう試合を見せたいか。
「非常に力のあるチームというのは分かっている。僕らは僕らのサッカーをすることを第一に考えてプレーしたいし、チャレンジの気持ちを忘れずにプレーしたい。今大会を通して難しい時間帯や自分たちのリズムで試合を進められない中でも、いかに臨機応変にプレーするかを選手が考えてやっている。それを継続してやることが大事。僕はリスクマネジメントなど自分のタスクを全うできるように集中してやっていきたい」

―どういう展開を想定しているか。
「まずは自分たちがボールを握る展開をつくりたいと思うが、大事なのはそれができなかったときにどうするか。イランの強さはボールを動かすところもそうだが、ラフに長いボールを入れてきて、そこの反応が早いと思っている。大事なのはそこの対応になるのかなと思う」

―こうして公式会見に出席しているように、チームの中での役割、立場はロシアW杯から大きく変わったのでは。
「ロシアW杯ではチームとしても個人としても悔しい思いをして、個人的にはその後、移籍があり、中盤で勝負したいという思いでやってきて、それが少しずつ代表でも出せるようになってきている実感はある。結果を残し続けることで僕自身の自信になっていることは感じている。ただ、まだまだ中盤にはいい選手がいるし、この日本代表で確実にスタメンを取れているとは思っていない。自分の良さをこの中盤で日本代表選手として出し続けることで、その先に中心を担っていける選手と言われるようなイメージを持ちながらやっていきたいが、まずは明日の試合に集中して自分の良さを出していきたい」

(取材・文 西山紘平)

●アジアカップ2019特設ページ

TOP