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エース封じの“新アジアの壁”冨安「20番がイライラしていたのは気づかなかった」

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相手エースを封じ込めたDF冨安健洋

[1.28 アジア杯準決勝 日本3-0イラン アルアイン]

 ほれぼれするような高さとポジショニングだった。試合前、百戦錬磨のDF長友佑都が「今、アジアで一番良いFWの一人」と評したイランのエース、FWサルダル・アズムン(ルビン・カザン)を“新アジアの壁”DF冨安健洋(シントトロイデン)が封じ込めた。

「20番(アズムン)には注意しないといけないと話していた。シンプルにロングボールを蹴ってくる中で、バウンドさせないことや早めに処理をすることを意識して、(吉田)麻也さんと声をかけ合いながらやれた」。森保ジャパン最年少のDFは堂々と言った。

 身長186cmのアズムンに対して冨安は188cmと、まずは高さで上回っていた。ただ、イランの狙いはロングボールのこぼれ球であり、中途半端なクリアではピンチを招きかねない。だが、冨安の跳ね返しは距離があり、危なげなかった。それを可能にしたのは的確なポジショニングだ。

「FWとの相性もあるとは思うけど、しっかり先に良いポジションを取って、そこから勝負するというのはやらないといけないこと。そこは継続してやることができればと思う」と胸を張る。ピッチ上には思いどおりのプレーができずに苛立ちを見せるアズムンがいたが、「イライラしていたんですかね。長友さんは前半からやり合ったと言っていましたが、僕はあまり気づいていなかった。ちょっかいをかけるとかの余裕もないので」と飄々と言った。

 もっとも、前半22分にワンツーで抜け出したアズムンに決定的なシュートを打たれたシーンについては「あれが決まっていれば分からなかった」と反省も忘れない20歳。「ここまで来たら優勝したい。チームの雰囲気もすごく良いので、みんなと最高の瞬間を分かち合いたい」と、淡々とした雰囲気を崩さずに抱負を語った。

(取材・文 矢内由美子)

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