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「NIKE NEXT HEROプロジェクト」プレミアリーグ選抜がイングランドで「考える」「試合を決める」力向上に挑戦中

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プレミアリーグ選抜がイングランドで奮闘中だ

 高円宮杯JFA U-18サッカープレミアリーグ2018で活躍した選手や、2年生の推薦選手を中心に構成されたプレミアリーグ選抜が現在、イングランド遠征を行っている。

 これは、日本サッカー協会とJFA Youth & Development Programmeオフィシャルパートナーである株式会社ナイキジャパンによる「NIKE NEXT HEROプロジェクト」の一環。世界で戦う次世代の選手育成を促進することを狙いとし、MF桂陸人(広島ユース3年)、CB河井哲太(G大阪ユース3年)、FW森海渡(柏U-18 3年)、FW齊藤聖七(清水ユース3年)、MF前田泰良(鹿島ユース 3年)ら高校年代最高峰のリーグ戦「プレミアリーグ」でプレーした選手たちに、「ナイキ ファントム キャンプ」(高校生の逸材発掘イベント)の優秀選手MF高木一史(JFAアカデミー福島U-18 2年)を加えた20名が、29日からイングランド代表の本拠地であるセント・ジョージズ・パークでトレーニングを実施している。

 現地時間31日午前には、FA(イングランドサッカー協会)のマーティン・ハリソンコーチ(アフィリエイト トゥーター/FAメンター/FAコミュニティーコーチ)の指導の下、室内のフルコートピッチで約2時間のトレーニング。室内でも零下4度という厳しい冷え込みの中で、選手たちは自分たちで「考えること」にフォーカスされたメニューを行った。

 トレーニング前には、イングランドの各カテゴリーの代表選手たちに強調され、またスカウティングの際の参考にもされているという4カラー、「テクニカル」「フィジカル」「メンタル」「ソーシャル/コミュニケーション」への意識付けから行われた。現イングランド代表のエースFWハリー・ケインのU-21代表時代などの映像から、ボールを失った後に追わない選手、逆に激しくボールを追い続ける選手、試合終盤でも落ち着いてボールを繋ぐ技術とメンタリティー、スタッフも含めてゴールを全員で喜ぶシーンなどをチェック。4コーナーの重要性を確認した選手たちは、それを意識しながら7対7対6や、9対9のポゼッションゲーム、そしてマーティンコーチから数人の選手、コーチにタスクを与えられての9対9のミニゲームを実施した。

 マーティンコーチは幾度もプレーを止め、プレミアリーグ選抜のコーチ陣、選手に繰り返し説明しながらの2時間。練習の意図について、マーティンコーチは「コーチに考えてもらうことがまず第一ですね。そして、選手に分かってもらいたかったことは、サッカーはフィジカルとテクニカルなことだけではないということです。頭を使って、メンタルの部分で考えて欲しかった。メンタリティーの部分について触れました」と説明していた。

 ミニゲームでは選手数人に「シュートを打つ」「クロスを上げる」など個人としてチャレンジすべきタスクを与えた一方、各チームを率いたコーチにもチームでの中央からの崩し、カウンターなどのタスクを与え、それぞれの達成回数も得点に。選手は頭で考え、バランスを取りながら自分のタスクと、コーチからのタスクの両方を実行しようとしていた。マーティンコーチによると、プレミアリーグ選抜の技術レベルはイングランドの同年代の選手と変わらないという。当初、コーチの目には「考える」ことが明らかに不足しているように映ったようだが、最初の鬼ごっこ形式のものからメニューを重ねるごとに選手たちは「考える」ことを実践、表現できるようになっていった。

 ナイキフットボールの今季のコンセプトは「GAMEOVER」。試合を一撃で終わらせるような技術とマインドセットを持った「試合を決める」選手の輩出を今回のイングランド遠征でも目指している。マーティンコーチの言う「試合を決める選手」は「ポジションでプレーする選手ではなくて、フットボール自体ができる選手」。MFでも、FWでも、どのようなプレッシャーでも同じようにプレーできる選手であることが、試合を決める力を発揮することに繋がるようだ。

 プレミアリーグ選抜は、31日午後にナイキが提携するプロ:ダイレクト アカデミーとトレーニングマッチを実施。選手たちは学んだ「考える」ことを実践しつつ、自分のストロングポイントも出し切って試合を決める。

(取材・文 吉田太郎)
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