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162cmの小さなアタッカーMF桂陸人、プレミアリーグ選抜主将の経験も次への糧に

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プレミアリーグ選抜の主将、MF桂陸人(広島ユース)は大柄な相手に対してもドリブルでチャレンジ

[1.31 練習試合 プレミアリーグ選抜 8-1 プロ:ダイレクトアカデミー セント・ジョージズ・パーク]

「身体の小さなサッカー少年に夢と希望を与える選手になっていきたい」。登録162cmの小さなアタッカー、MF桂陸人(広島ユース3年)がイングランドでプロへの再挑戦をスタートさせている。

「NIKE NEXT HEROプロジェクト」プレミアリーグ選抜の主将としてイングランド遠征に参加している桂は、この日の午前中にFA(イングランドサッカー協会)コーチから学んだことを午後の練習試合で早速実践。コンビネーションやシュートの意識を持って試合に臨んだMFが、先制点を挙げた。

 前半5分、MF山田楓喜(京都U-18 2年)のシュートのこぼれ球に反応して先制点。自分よりも大柄な選手たちとの対戦だったが、「僕は小さいので、いつも大きな相手とやっている。自分みたいな小さな選手が懐に入り込まれるのが大きい選手からしたら本当に嫌だと思うので、そこは昔から意識しています」という桂は連係での崩しを意識しながらチャンスがあれば、強引に相手の前に潜り込んでクロス、ラストパスまで持ち込んでいた。

 前線からの献身的な守備、精度の高いキック含めて存在感ある動きを見せた桂は、かつてU-15日本代表、U-16日本代表の常連で、16年のAFC U-16選手権では現U-20日本代表候補のGK谷晃生(G大阪)やFW久保建英(FC東京)らとともにアジアベスト4を経験。昨年は広島ユースの10番を背負ってプレミアリーグチャンピオンシップ優勝を経験した。だが、17年以降は年代別代表から遠ざかり、トップチーム昇格も勝ち取ることができず。プロの壁が高いことを痛感した。

 それでも「ここで落ち込んでいるようじゃプロには絶対になれない」と切り替えて、強豪・順天堂大からプロ入りを目指す。その新シーズン前に実施されているプレミアリーグのイングランド遠征では、3年間指導を受けてきた岩成智和監督(広島ユース)から主将に指名され、色々な選手がコミュニケーションを取れるように食事の席順や下級生との会話から意識。「指名されたのでやるしかないです。キャプテンを経験することで次のステージでもリーダーシップを持ってやっていきたい」と貴重な経験を次に繋げる意気込みだ。

 1日の遠征最終戦はより特長であるドリブルをより出していく構えだ。トップ昇格を逃した経験は「苦労してきた中での結果なので悔しい」というもの。その悔しさや「小さなサッカー少年たちのために」という思いもエネルギーも力に、アピールできる場所でアピールを続ける。

(取材・文 吉田太郎)

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