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「あの負けがなかったら今の自分はない」大宮19歳MF奥抜侃志が“熱く”ゴールでアピール

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[2.9 PSM 大宮2-0松本 NACK]

 あの悔しさをバネに進化を遂げる。大宮アルディージャMF奥抜侃志は後半27分から途中出場。キックオフ前には雪が降り、気温1℃という寒空の下でピッチに入ったが、「気持ちは熱くなっていた」。限られた時間の中でゴールという結果を残し、プロ2年目のシーズンへ強い決意を示した。

 4-4-2だった昨年はサイドハーフが主戦場だったが、高木琢也監督の新体制では3-4-3のシャドーの位置でプレー。守備時は前線からプレッシングをかければ、新戦力のFWファンマらと距離感良く攻撃に絡んだ。

 1-0で迎えた後半38分、ゴールキックをファンマが落とすと、裏のスペースに抜け出した奥抜は右足を振り抜き、ダメ押しの2点目。「昔は技術で決める感じだったけど、もっと自分で決めるんだっていう、気持ちで決めるゴールは今までになかった」。自身の殻を破るようなゴール。左にはFW大前元紀も見えたが、迷わずシュートを選択した。

 ゴールへの意識は高まっている。契機となったのは昨年11月25日に行われたJ1参入プレーオフ1回戦東京V戦だ。シーズン5位だった大宮は引き分けでも勝ち抜けが決まるアドバンテージを得ていたが、1点ビハインドの苦しい時間帯が続いた。ルーキーだった19歳はその大事な局面で途中出場。鋭いドリブル突破やシュートで突破口を切り開いたが、チームは0-1で敗退。J1復帰の目標は持ち越しとなった。

「あの負けがなかったら今の自分はない」。オフシーズンには欧州リーグの試合を生観戦し、一流のストライカーが貪欲にゴールを目指す姿に刺激を受けた。「もっともっと点を取ってアピールしたい」。成長著しい気鋭のアタッカーは、より貪欲にゴールを目指す。

(取材・文 佐藤亜希子)
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