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日本高校選抜が埼玉合宿をスタート。U-18Jリーグ選抜戦は質、内容から勝利へ

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日本高校選抜埼玉合宿がスタート。初日から熱い攻防戦が

 FUJI XEROX SUPER CUP 2019 NEXT GENERATION MATCH(16日、埼玉)でU-18Jリーグ選抜と戦う日本高校選抜が13日午後、埼玉合宿をスタートした。札幌入りしたMF檀崎竜孔(青森山田高3年)と新潟入りしたMF秋山裕紀(前橋育英高3年)は不参加に。また13日夜に合流予定のMFバスケス・バイロン(青森山田高3年)を除く22名が初日のトレーニングに参加し、約1時間30分汗を流した。

 この日はチームが戦う上での共通理解する部分を確認。ビルドアップでどこを見るのか、抜け出しのタイミング、パスのテンポなど選手たちは意図を確認、理解しながらトレーニングしていた。

 その中でDF白井陽貴(矢板中央高3年)やDF豊島基矢(青森山田高3年)が判断よく縦パスを通した際や、FW染野唯月(尚志高2年)の抜け出す動きに対して朝岡隆蔵監督(市立船橋高)から称賛する声。一方、守備側に緩いプレーが続いた際には、「やったフリをするな!」「10分間で何回獲ったんだ!」と厳しく指摘する声も挙がっていた。

 選手たちはそれを改善しながら球際の強度やスピードを向上。特に精度、質の部分はこれから徹底して求められていきそうだ。選考合宿で不在だったFW西川潤(桐光学園高2年)が加わり、新たにスタートした合宿初日の雰囲気はまずまず。練習後には取材陣から促され、選手権準決勝を戦った青森山田高と尚志高の選手が一緒に写真に収まるなど笑顔も見せながらピッチを後にした。

 日本高校選抜は現在の25名から最終的に18名にまで絞り、4月に欧州遠征を実施。ドイツで開催される第57回デュッセルドルフ国際ユースサッカー大会での優勝が大目標となる。結果を求めると同時に、朝岡監督をはじめとするコーチ陣が大事にしていることはこのチームで選手たちが成長するため、将来のプロ入りや日本代表入りに繋がる力を得るための刺激を与えることだ。

 1月の選考合宿で選手たちは普段と異なるサッカーでも柔軟に対応すること、その上で自分の強みや高校選抜に懸ける思いの部分を表現することを求められていた。それもあってか、この日の選手たちは各メニューで声を掛け合いながら、前向きに質の向上などにチャレンジ。司令塔候補のMF天笠泰輝(青森山田高3年)は「自分の持ち味や(朝岡)監督の求めていることを100パーセントできないと試合には出れないと思うので、そこはしっかり学んで自分の成長にも繋げていきたい」と高校選抜でも少しでも成長し、将来へのアピールをしていくことを誓っていた。

 NEXT GENERATION MATCHは、彼らが高校選抜での成長をする途中の段階で、一つ結果も求められる試合だ。高校3年生中心の高校選抜に対し、U-18Jリーグ選抜は高校1、2年生で構成されたチーム。朝岡監督は「高体連のプラスアルファをどれだけ出すか。イニシアチブを取って質、内容から上回りたい」と語る。

 年下の相手に対して接点、個々のスピードで勝つのはある意味"当然”求められる部分。だからこそ、高体連の強みとされる走力、球際の強さ以外の部分からU-18Jリーグ選抜に勝ることを目指す。この日、朝岡監督や藤島崇之コーチ(昌平高)に確認しながら練習していた天笠は、「高校サッカーの強みが球際や走ることというのはみんな分かっていると思うんですけれども、(高校サッカー全体的に)それに固執するケースが多くて周りの人からボール回したりできないと思われているのは自分たちも悔しい。どっちもできるように頑張っていきたい」と意気込んでいた。

 日本高校選抜は全国4000校を超える高校サッカー部の代表。勝負に勝つことだけでなく、多くの人たちの前で高校サッカーの魅力を表現する責任もある。チームリーダーのGK飯田雅浩(青森山田高3年)は「良さを全面に出して相手はU-17なので絶対に負けないという気持ちでやりたいです」。18名入りを懸けた競争を必死に勝ち抜くこと、目の前の試合に勝つことと同時に、高校選抜は質の向上など成長することにも徹底的にこだわる

(取材・文 吉田太郎)
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