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[新人戦]目標は鹿児島3冠、日本一。後半巻き返した鹿児島城西が九州準々決勝進出!

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白熱の攻防戦の末、鹿児島城西高(青)が決勝トーナメントへ

[2.17 九州高校新人大会予選リーグ第3節 鹿児島城西高 1-1 鎮西学院高 大津町運動公園球技場]

 第40回九州高校(U-17)サッカー大会(九州高校新人大会)は17日、予選リーグ最終節を行った。第4ブロックでともに1勝1敗の鹿児島城西高(鹿児島1)対鎮西学院高(長崎1)戦は、1-1で引き分け。得失点差でブロック2位に入った鹿児島城西は準々決勝(対日章学園高)進出を決め、一方の鎮西学院は同3位で予選リーグ敗退となった。

 10番のMF北條真汰主将(2年)やMF山縣聖大(2年)、DF濱田康成(2年)をはじめ、昨年から主力の大半を残す鹿児島城西は今年、鹿児島3冠、日本一を狙うチームだ。プリンスリーグ九州最下位、県内無冠に終わった昨年は今年へのエネルギーに。北條が「日本一という目標を立ててやっているので、去年から出ている分も、今まで悔しい思いをしてきた分もやらないといけないという気持ちでいます」と意欲を持って新チームは今年をスタートさせている。だが、決勝トーナメント進出を懸けた鎮西学院戦の前半は後ろに重いゲームになってしまった。

 MF柴原隆真(2年)ら個々の技術高い鎮西学院がボールを支配してくることを想定。前から奪いに行くのではなく、カウンター狙いで試合をスタートしたが、「(引き気味の試合をしたことで)この子たちの元気をなくしてしまって、奪ってからの速さがなかった」(新田祐輔監督)という戦いになってしまう。

 試合はセカンドボールを収め、5人の中盤が流動的に動きながらボールを前進させる鎮西学院のペースに。そして前半20分にはセカンドボールを拾った柴原がCB間へ絶妙なスルーパスを通し、FW山口俊輔(2年)が左足で先制ゴールを流し込んだ。

 それでも、後半、鹿児島城西は点を取り返すために前からの攻守。最前線でボールを収めるFW宮城勝(2年)を起点に、今年の強みであるサイド攻撃で鎮西学院ゴールに迫った。そして20分、MF西田崇人(2年)の左CKを濱田が頭で決めて1-1。その後も左クロスから北條が決定的なヘッドを放つなど一気に逆転を目指した鹿児島城西だったが、「後半は元気になったけれど、最後の冷静さ」(新田監督)が課題となって2点目を奪うことができない。

 一方の鎮西学院もMF橋本塁也(2年)らがサイドを突き、クロスまで持ち込んでいたが、鹿児島城西GK戸田哲平(2年)の身体を張った守備などに跳ね返されて1-1のまま試合終了。敗退の決まった鎮西学院の選手たちがピッチに座り込み、予選リーグ突破を決めた鹿児島城西の選手たちは安堵の表情を見せていた。

 鹿児島城西は「大迫(勇也)の時から新人戦、総体を落としても選手権で優勝したり、ずっとどの代も優勝していた」(新田監督)。最近2年間はライバル・神村学園高に新人戦、総体、選手権の県内3冠を許してしまっていたが、経験者を多数擁する今年はまず新人戦で奪冠に成功。北條が「プレッシャーは結構ありますが、結果を残さないといけないという部分はみんな持っていると思います」と語り、宮城が「県勝っているので九州大会でも勝って逆に3冠やり返せるように」と口にしたように、今年は自分たちが鹿児島3冠を“やり返す”意気込みだ。

 新チームは昌平高(埼玉)や札幌大谷高(北海道)などの強豪相手にショートカウンターやサイド攻撃でゴールを連発するなどポテンシャルもある。けが人も戻ってくればよりレベルが上がりそうだが、まずは今大会の勝利に集中。OBの日本代表FW大迫勇也がワールドカップなどで活躍して鹿児島城西も注目される中、結果を出せていなかった悔しさを晴らし、九州タイトルも奪い取る。

(取材・文 吉田太郎)

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