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[MOM2810]鹿児島城西MF桑原滉(1年)_小柄な技巧派MFが雨中でセカンド回収し、「ボランチの仕事」も

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鹿児島城西高MF桑原滉は中盤の底の位置でセカンドボールを制圧

[2.19 九州高校新人大会決勝 鹿児島城西高 1-1(PK5-4)大津高 大津町運動公園球技場]

 今年、鹿児島城西高がリーグ戦を含めた県内4冠、日本一を達成するための隠れたキーマンと言える存在だ。雨中の決勝戦で、1年生MF桑原滉は3-6-1システムの1ボランチとして奮闘。中盤の底の位置で鋭い読みに加え、球際での思い切りの良さも発揮していた桑原はセカンドボールを回収し続け、相手に流れを与えなかった。

 ボールの拾い合いで健闘したMFは、相手がプレッシャーをかけて来る中での技術と冷静さも光った。激しい雨によって水が浮いている場所もあったほどの悪コンディション。ボールロストを怖れて蹴ることだけを選択してもおかしくない状況だった。

 だが、「ずっと蹴ってばっかりだと自分たちが疲れるだけ。コントロールするのはボランチの役割なのでそういう仕事をしていかないといけないと思います」という彼は前線にボールを入れる部分と、相手のマークを冷静に外して繋ぐ部分とをしっかりと使い分けていた。

 攻守において好プレーの光った桑原については、新田祐輔監督も「きょうはやっぱり桑原ですかね。あそこ一人でボールを拾いましたからね。蹴るだけかなと思っていたら、たまに外してみたり」と評価し、決勝のマン・オブ・ザ・マッチに推していた。

 彼の成長はチームに欠かせない。予選リーグでは主将のMF北條真汰(2年)と中盤の底でコンビを組んでいたが、チームとしては攻撃性能の高い北條が前目のポジションに入った方が攻撃に厚みが出る。そのため、新田監督も163cmの小柄なMF桑原が一本立ちすることを期待していた。その中、決勝トーナメントで桑原は1ボランチとして存在感ある動き。プレミアリーグ勢の大津高との決勝でも中盤で堂々のプレーを見せていた。

 優勝に貢献した桑原は「攻守に渡って貢献して、点の取れるボランチになっていきたいと思っています。当たり負けない身体作りとか、あとはシュート力とかシュートセンスを磨いていきたいです」とさらなる成長を誓う。

 憧れは川崎FのMF大島僚太。ボールを奪われない部分を強みとし、守備での成長も見せている1年生が、個人、チームのためにも鹿児島城西の中盤を一人で支えられるような選手になる。

(取材・文 吉田太郎)

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