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日本人で唯一欧州大会の頂点に立った小野伸二…CL最注目はペップとあの選手「彼はなんでもできる」

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 北海道コンサドーレ札幌に所属するMF小野伸二が『DAZN(ダゾーン)』のインタビューに応じ、チャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメントについて語った。

 2001-02シーズンに、ヨーロッパリーグの前身であるUEFAカップ優勝を経験するなど、日本人選手として唯一欧州主要大会で頂点にたった経験を持つ小野。CLの舞台では、予選も含めれば通算11試合出場、2ゴールをマークしている。

 そんな日本が世界に誇るレジェンドでもある小野が、『DAZN』で配信中の番組『UCLラウンド16プレビュー』の中で、今注目しているCLラウンド16のチームや優勝予想、観戦術を語った。また、UEFAカップ決勝戦での想い出も振り返っている。

――注目しているクラブはありますか?

小野:マンチェスター・シティですかね。ペップ(ジョゼップ・グアルディオラ監督)はどこにいっても、人を魅了するサッカーをしていますね。バルセロナでもバイエルン・ミュンヘンでも、マンチェスター・Cに来てもやろうとしていることは常にボールをキープして、相手を切り崩すというスタイル。見ててすごく楽しいなと思います。

――小野選手からみて、マンチェスター・Cのサッカーの特徴はどのようなところでしょう?

小野:どうやってゴールを奪うのかという、気持ちの面でもそうですし、みんなが共通理解をしている。ゴールのための一つの道というものが出来上がっているなという気がしますね。

全員がペップのやろうとしていることを忠実にやっている。あれだけお金をもらっている選手たちが自分たちの持っている100%以上の力を出そうと努力している。練習風景とかを見たりすると、やっぱりすごいなと思いますね。

――CLラウンド16の注目カードはありますか?

小野:どれも面白いカードだと思いますけど、リバプール対バイエルンは面白いゲームになるんじゃないかな。もともとリバプールの(ユルゲン)クロップ監督もドルトムントにいたから、バイエルンのこともよくわかっていると思うし、リバプールも今リーグ戦ですごく調子がいいので(※1試合未消化ながら首位マンチェスター・Cと同勝ち点)。この試合はある意味すごい大きなカードだと思いますね。

――リバプール対バイエルンの注目選手は?

小野:リバプールは前線3枚(マネ、サラー、フィルミーノ)もそうですけど、守備から攻撃まで全体でできているので、特に誰というより全員でやっていますよね。それがバイエルンもまったく一緒なので。もちろんそれぞれ有名選手はいますけど、お互いがお互い(のストロングポイント)を潰し合うサッカーになるのではないかなと思っています。またリバプールのクロップ監督がドイツで感じていたサッカーと、イングランドで違うサッカーを感じて、戦い方というのがどう変わるのかというのが見ものですよね。

――今季のCL優勝チームを予想してください。

小野:マンチェスター・Cに優勝してほしい気持ちは大きいですけど、バルセロナも昨年途中であの(リオネル)メッシ率いるバルサが……という気持ちで見ているので、今年に懸ける思いというのは大きなものがあると思います。決勝で(この2チームが)当たってほしいなという気持ちはありますよね。マンチェスター・Cとバルセロナが当たってくれたら最高です。ペップの古巣というのは面白みがありますよね。

――メッシが好きなんですか?

小野:どう見ても彼のすごさというのは際立っていると思いますし、特にバルセロナでプレーするメッシというのは特別ですよね。

彼はなんでもできます。パスも出せる。普通はすごい選手でも、チームの状況が悪い時は良いパフォーマンスが出せなかったりするんですけど、メッシは別にチームが悪くても絶対に点をとってそのチームを悪い状況から打破させて、勝利に導くことができる唯一の選手かなと思います。

――小野選手自身が体感した中で一番すごいと思ったのはどの選手ですか?

小野:(ジネディーヌ)ジダンですかね。UEFAスーパーカップ(2002-03シーズン)で一度対戦しましたが、やはりちょっと次元が違いましたね。ただあの頃の自分というのはまだまだ多少相手に、レアル・マドリーという名前にビビってしまう部分もあって、メンタル的にやられている部分もあったので、そこは本当に残念だったなと。でもやっぱりそれでもすごかったというイメージはあります。

――UEFAカップの決勝(2001-02)の心境を覚えていますか?

小野:(トマシュ)ロシツキーという同年代の選手がドルトムントの10番をつけていて、バリバリ中心でやっていて。世界でも有名になっていました。そういう選手と対峙することができるという部分では、ワクワク感しかなかったです。僕はそのUEFAカップの決勝の1週間くらい前にあった最後のホームゲーム、前半で退場してしまったんですよ(※エールディビジ第33節ヘーレンフェーン戦)。

退場してしまって本当に申し訳ないなって思っていたら、一緒にボランチを組んでいたキャプテン(ポール・ボスフェルト)が3点決めてくれたんですよ。彼が僕の不甲斐なさを帳消ししてくれたから、UEFAカップの決勝は自分が絶対やってやるぞという気持ちで臨めました。

――決勝での自身のお気に入りのプレーはありますか?

小野:僕が交代する直前、3-2になった後かな。左から僕がクロスをあげて、きれいな弧を描いて(ヨン・ダール)トマソンに渡ったんですけど、彼がシュートを上の方に外してしまって……。あれが決まってくれていたらな、というシーンはありましたね。それはなんとなく僕の中で鮮明に覚えています。

――今トマソンは…?

小野:オランダでコーチをやっていましたね。僕の知り合いを通じてメッセージをくれたことがあって。まだまだ普通に動けると思いますよ。

――今でもフランクに話したりするのでしょうか?

小野:会えば話しますよ。連絡を取り合うとかではなくて、オランダにいたときの選手というのは、(ロビン)ファン・ペルシもそうですし、どこかで会えばみんなで会話したりして、いつまでも繋がっているという感じはしますね。

――最後に、視聴者の方々へ向けてサッカーを見る際のアドバイスはありますか?

小野:サッカー好きな人も嫌いな人も試合を見て、この選手見ていて楽しいなと思える感覚になれたら、きっとどう試合を見ても楽しいと思います。そういう感覚がなければ、ただ単にユニフォームの色が好きだからとか、そういうところから入ってもいいと思います。勝ったから次も応援しようかなという気持ちになると思います。

サッカーを知っている人からすれば、どういう戦術でどうやって崩しているんだろうというお互いのサッカーの運び方だとかを見ながら自分の中で消化していくと90分があっという間に終わってしまう。これは選手たちもそうだと思うんですけど、90分はすごく長く感じるけれど、実際にはすごくあっという間に終わってしまう。中身が濃く、常に頭を働かせて考えているからだと思いますね。そうするとサッカーがどんどん楽しくなっていくんじゃないかなと思います。

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