昨年はプリンスリーグ九州で18得点をマークして得点ランキング2位。日章学園高(宮崎1)FW鈴木陽介(2年)は、インターハイでも3得点を挙げて大会優秀選手に選出されるなど、評価を高める一年になった。

　昨年は10番のエースMF河原淳(3年)とともに攻撃の2枚看板を担ったが、河原が卒業する今年はエースストライカー。昨年よりもマークが厳しくなる中でチームを勝たせるような活躍をしていかなければならない。

　準々決勝で敗退した九州新人大会後には、「点は取れなかったんですけれども、収めるところは収められたと思うので、それは伸ばしていって、もっと前向く力だったり、ゴールへの意識をもってやっていきたい」を語っていた。

　名将・早稲田一男監督はポストプレーだけでなく、DFの間へ割って入っていくような部分、より怖いFWになっていくことを求めている。これは本人も自覚している課題だ。大津高(熊本1)との予選リーグ最終戦ではその部分が表現され、強引にPAへ潜り込んでいくシーンも。そして、強豪対決を制す大きな力になっていただけに、「自分がもっと呼び込んだり、リードして自分が全部行くくらいの意識を持っていきたい」と語っていた。

　アシスト役が揃っていた昨年とは違い、今年は個人での打開やチャンスメークすることも、決めることもしていかなければならない。「去年、一昨年ほど前の層が厚くないので、自分が勝負決めるくらいの勢いでいかないと、相手にとっても怖くないと思う。そこをやっていきたい」。決してスピードのあるタイプの選手ではない。それでも、以前からFW小林悠(川崎F)を目標とする選手として挙げるFWは、周囲を活かしながら、最後のところでの仕事もできる選手へ。そして、各大会でゴールを決めて昨年以上の結果を残す。

(取材・文　吉田太郎)