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J注目テクニシャン、日大藤沢MF植村洋斗「神奈川では自分が一番だと思ってもらえるようなプレーを」

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日大藤沢高の注目MF植村洋斗は今年、プロ入りと日本一を目指す

 すでにU-19日本代表に選出されているFW西川潤(桐光学園高2年)は、19年の高校サッカー界を代表する存在だ。国内に限らず、アジアでもその力を証明したレフティーは今年も注目される中での一年になりそう。ただし、桐光学園が位置する神奈川県内にも強敵がいる。特に日大藤沢高のMF植村洋斗(2年)は昨年末の怪我によって今冬の練習参加は見送られたものの、J1クラブからその打診があるという逸材テクニシャンだ。

 植村は1年時にレギュラーとしてインターハイ準優勝を経験。同年の全国ルーキーリーグ交流大会では大会MVPに輝き、日大藤沢を“日本一“へ導いた。昨年は選手権神奈川県予選準々決勝で桐光学園と対戦。植村の鮮やかなゴールなどで2点先取しながらも逆転負けし、昨年は全国のピッチに立つことができなかった。全国出場を逃したことで知名度はまだまだだが、ゲームコントロール、打開、そしてゴールを奪う部分でも力を発揮できるタレント。その植村がプロ入りと日本一への意気込みを語った。

―最後のシーズンが始まる。
「自分の中では(1月上旬の)裏選手権で結果を残してプロの方から見てもらって……と考えていて……。でも、実際は自分、怪我して出遅れちゃって、でもここからが勝負だと思うし、2か月出遅れている分、リハビリとかしっかりとして強くなって戻らないといけないと思う。多分、期待されていると思うし、チームとしても、個人としても結果を出して、チームとしては日本一獲って、個人としてはプロに行けるように頑張りたいと思っています」

―プロへの練習参加もして行くようだが、どのような部分で勝負したい?
「自分の武器はボールを持って、味方を動かしてゲームをコントロールしたり、選手権などでは周りを活かして自分が得点したりすることが多かったです。でも、やっぱり自分が行くところは行って、自分が試合を決めれるような選手になりたいと思うし、まだまだ足りないところがいっぱいあると思うので、(シーズン開幕まで)時間がないですけれども、練習試合を多く組んでもらっているのでそこでチャレンジして頑張れればいい」

―テクニックで違いを生み出せる選手だと思うが、逆に課題は?
「最後、自分でドリブルで仕掛けて行き切るところとか、あと試合の終盤、体力が落ちた時にミスが目立つので、そこを直さないと上じゃ通用しないと思っています。大学の練習参加とかさせてもらってプレッシャーの速さとか、そういうところの対応力とかもまだまだ全然ダメだったので、そこも課題だなと思います。自分の中では高卒でプロに行くつもりでいるんですけれども、大学生と対戦してプレッシャーのスピードが一番凄いと思ったので、そこをしっかり自分で対応できるようにしたい」

―プロで活躍するためにはそのような中で何ができるか。
「足元とかは自信を持ってやれているし、そういうところでは通用したところもある。プレッシャーのスピードに慣れれば、多分いつも通りのプレーがどこに行ってもできると思っている。あとはフィジカルや身体の強さをこれからちょっとずつやっていって、負けないようになれればと考えています」

―神奈川には強敵がいる。やはり西川潤選手は意識する?
「意識はしますね。神奈川には西川潤くんがいますけれども、神奈川で1番、2番を争える選手になりたいと思うし、神奈川は自分が引っ張っていって、全国でも中心になれるようになっていきたいと思います」

―1年の時に良い形で全国デビューできたと思うが、昨年出られなかったことが知名度を上げられなかった。
「2年生で選手権に出られれば自分の知名度という部分でも上がったと思うし、2年で全国に1回も出れなかったということで注目度はまだまだだと思う。今年、全国に出るのは絶対条件だと思っていて、全国出た時に何ができるのか見せたい。神奈川で勝たないと意味がないんですけれども、神奈川では自分が一番だと思ってもらえるようなプレーをしていきたいです」

―逆転負けした桐光学園戦は悔いが残っている。
「2点先制して、多分2点獲ったことでみんなが勝てると思ってしまって、そこで油断して逆転されたと思う。自分も後半何もできなかったというか、抑えられた感じがありました。今年は相手チームから研究されたら結構マンマークに付かれたりすることがあると思うし、そこでマンマークを付かれた中でも自分のプレーをやっていかないとプロでやっていけない」

―どのような選手になっていきたい?
「自分はレアルのトニ・クロース選手のようになりたいと思っています。クロースのようにパスも上手くなりたいと思うし、自分がドリブルで運んで、自分で行くところは行くけれど、一番は周り使って崩して行きたいなと思っている。そこをもっとこだわってやっていければいい。何でもできる選手になりたいです」

―全国ルーキーでは“日本一”を経験した。今年は手応えもある年。
「(手応えは)あると思いますし、(チーム内の)競争は激しいですけれど、全国ルーキーを獲っていることで油断があると思う。自分が復帰して、自分が中心になって、『今のままではダメだぞ』というところをプレーで示していきたいと思っています」

(取材・文 吉田太郎)

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