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“麻也事例”も明文化へ…IFABがルール改訂を承認、ハンド基準に大きな変更

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アジア杯準々決勝ベトナム戦、ハンドリングでゴールが取り消されたDF吉田麻也

 サッカーのルールなどを定める国際サッカー評議会(IFAB)は2日、スコットランド・アバディーンで第133回の年次総会を開催し、2019-20シーズンの競技規則の改訂事項を承認したことを公式サイトで発表した。最も大きなトピックはハンドリング基準の明確化。新たな競技規則は今年6月1日に施行される予定となっている。

 IFABの年次総会は毎年3月に開催。国際サッカー連盟(FIFA)、イングランドサッカー協会、スコットランドサッカー協会、ウェールズサッカー協会、北アイルランドサッカー協会の代表者がそれぞれ出席し、競技規則の改訂を決議している。昨年の第132回ではビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の採用が認められ、大きな話題となった。

 今回の総会では前回ほどの重大トピックは議題にのぼらなかったが、最も重要でホットな事柄はハンドリング基準の明確化だ。現状は「意図的」であることがハンドリングの要件とされているが、「意図的ではなく、偶然のハンドであっても、反則と見なされる場合がある」という改訂がなされるようだ。

 その中でもIFABは具体的な描写を例示しており、それは「たとえ偶然によるものであっても、手や腕に当たったボールがそのままゴールに入った際の得点や、あるいは手や腕に当たって保持・コントロールされた後のボールが得点につながったり、決定機につながったりした場合は認められない(つまり、反則にあたる)」というものだ。

 日本のファンにとって分かりやすいのは、今年1月のアジア杯準々決勝ベトナム戦で日本代表DF吉田麻也の手に当たったボールがゴールインした場面だろう。アジア杯史上初めてVARの介入でゴールが取り消され、一部で物議をかもしたが、この改訂によって競技規則に明文化され、あらためて反則であるという基準が明確になった。

 その他、詳しい文言は発表されていないが、以下の6項目についても改訂が行われるという。

・交代で退く選手は最も近い境界線からフィールドを離れなければならない。

・チーム関係者の不正行為にもイエローカード、レッドカードが提示される。

・ゴールキック、またはPA内での守備側FKでは、PA外にボールを出す必要はない。

・守備側が作るFKの壁を攻撃側が妨害した時の基準。

・主審にボールが当たった時はドロップボールで再開する。

・PKの際、GKはゴールラインに片足だけを置いておけばよい。

 新たな競技規則は今年6月1日に施行予定。しかし、各国リーグでは猶予期間が設けられており、Jリーグでは1か月以上にわたって遅れるのが通例だ。今後、日本サッカー協会(JFA)から適用開始日が発表される見込みだが、たとえば昨季のJ1リーグではロシアW杯明けの7月18日から、一昨季は2017年7月29日から新ルールがスタートしている。

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