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「優勝という形で恩返し」を。宮崎日大が人工芝G2面完成記念試合で長崎総科大附を撃破!

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前半20分、決勝点を決めた宮崎日大高FW櫻田優樹(右)とFW川野寛登がハイタッチ

[3.3 交流試合 宮崎日大高 1-0 長崎総合科学大附高 宮崎日大第2G]

 宮崎日大が新人工芝グラウンドの完成記念試合で白星! 九州新人大会2年連続4位の宮崎日大高(宮崎)の第2グラウンド(宮崎市)が人工芝グラウンド2面に改装され、その完成記念式典が3日に行われた。式典後には宮崎日大高と選手権16強の長崎総合科学大附高(長崎)が、Blue Wave winter league九州・山口1部の試合を兼ねて交流試合を行い、宮崎日大が1-0で勝利。新グラウンドのオープニングマッチを白星で飾った。

 宮崎日大にとっては学校関係者やグラウンド費用をサポートしてくれている地元企業、保護者の前での“人工芝グラウンド完成記念試合”。全国でも数少ない人工芝サッカー場2面を得た選手たちは、落ち着いたパスワークや球際の攻防などその感謝を表現するかのような戦いを見せて強豪に勝利した。

 昨年11月の選手権予選直後に着工。2面のうち1面は1月下旬に完成し、選手たちは人工芝ピッチでの練習を重ねてきていた。宮崎日大の南光太監督は「このグラウンドで毎日やると変わりますね」と語っていたが、この1か月でパススピードが目に見えて変化。また、土のグラウンドの練習時にはあまり無かったというスライディングタックルをするシーンが人工芝グラウンドになって増えたという。

 公式戦では球際の一歩が勝負の明暗を分ける。土のグラウンドで怪我のリスクがあったこれまでは、練習でスライディングタックルをすることも、されることも少なかったため、試合の中でそのギリギリのプレーにアジャストしていた。だが、現在はスライディングする練習も採用して日常的に球際強化。この日もCB小野翔汰(2年)やMF矢野翔大(2年)がスライディングタックルを決めていたほか、相手のタックルをいなしてボールを繋ぐシーンも多かった印象だ。宮崎日大は早くも“人工芝効果”を発揮していた。

 雨上がりの重いピッチの中で行われた前半、宮崎日大は時間が経過するにつれて徐々にボール保持を高めていく。そして20分、非常に余裕のあるボールコントロールで相手DFとの1対1を制し続けていた大型FW川野寛登(2年)が、右ゴールライン際を個で突破。1人、2人とDFをかわしながらゴールエリアまで持ち込む。シュートを打ち切ることはできなかったものの、こぼれ球を拾った九州新人大会得点王のFW櫻田優樹(1年)が左足で先制ゴールをねじ込んだ。

 長崎総科大附はMF一宮優斗(1年)や右MF大門蓮(2年)がキープ力を発揮しながらゴールに迫っていたが、中盤のバランスが悪かったこともあり、セカンドボールを相手に拾われてしまう。逆に宮崎日大は26分、パスワークからPAへ飛び出してきた右SB高木俊秀(2年)が決定的な右足シュート。30分にもMF山口哲平(1年)の右足ミドルが浮いた水で止まり、これに走り込んだMF田中和騎(2年)が決定機を迎える。

 だが、これは長崎総科大附の長身GK梶原駿哉(1年)のファインセーブに阻まれ、直後にCKのこぼれからCB田崎常慈主将(2年)の放った右足ループシュートもクロスバーを叩いてしまう。2点目を奪うことはでなかったが、矢野が「ボールのスピードが上がったり、みんなの連係が上がったりしていて、人芝になってからパス回しや攻撃のバリエーションが増えてきたかなと思っています」という宮崎日大が、強敵相手に優位に試合を進めていた。

 後半は長崎総科大附が1タッチのクロスボールを増やし、そこにボランチから前線へポジションを移したエースMF千葉翼(2年)が競り合うなど宮崎日大の守りに圧力をかける。宮崎日大の苦しいクリアが続いたこともあり、セカンドボールの攻防で優位に立った長崎総科大附はサイド攻撃やカウンターからシュートシーンを作り出した。だが、宮崎日大は28分にFW安積琉樹(2年)の至近距離からのシュートをGK東上里康登(2年)がビッグセーブしたほか、田崎や小野、左SB黒木俊吾(2年)らが前線に入れてくるボールに落ち着いて対応。中盤で光る動きを見せていた矢野や櫻田、MF橋邉好祐(2年)、MF福留龍磨(2年)が絡んだ攻撃でチャンスを作り返していた。

 長崎総科大附の縦への攻撃に苦しんだ部分もあった宮崎日大だが、交代出場選手も集中した守りを見せて1点を守りきり、1-0で勝利。田崎は「バナーの企業の方とか、学校関係者の人とかいてきょうは絶対に勝たないといけなかったので勝ててよかったです」と笑顔を見せていた。人工芝グラウンドの完成によって自主練習を行う選手が増え、彼らの士気、モチベーションも上がっているという。昨年は新人戦、インターハイ予選、そして選手権予選決勝でいずれも日章学園高に敗戦。日章学園と同じく人工芝グラウンドを手にしたチームは今年、壁を乗り越えて全国初出場を狙う

 今年は南監督が「この子たちは我慢強いです」という世代。選手たちは全国有数の環境を用意してくれた学校、熱意のある保護者、80社にも及ぶというサポート企業の期待に応える意気込みだ。田崎は「最終的な目標は日章倒して全国に行くこと。口だけで『ありがとう』と言っても伝わらない部分があるので、優勝という形で恩返しできたらなと思っています」と宣言した。ライバル・日章学園を破るのが簡単ではないことは確か。それでも約20年の「悲願」人工芝グラウンドという“武器”を得た今年、宮崎日大が歴史を変える。

(取材・文 吉田太郎)

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